Project/Area Number |
22K08882
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
石渡 俊行 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (90203041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 紀彦 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80639063)
進士 誠一 日本医科大学, 医学部, 講師 (80409193)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 膵癌 / 上皮間葉系形質 / 糖鎖 / 3次元培養 / 膵星細胞 / 遊走能 / 培養細胞株 / E-cadherin |
Outline of Research at the Start |
膵癌は個人によって細胞形態や機能が異なり、この多様性(heterogeneity)が早期診断の困難さや抗癌剤に対する抵抗性に関与していると考えられる。本研究では、3次元培養で培地内に形成された膵癌培養細胞の浮遊細胞塊(スフェア)について、①上皮系および間葉系膵癌細胞の細胞表面糖鎖の特徴、②上皮系と間葉系膵癌細胞のそれぞれに有効な薬剤の網羅的探索、③膵癌培養細胞株を上皮系または間葉系形質に誘導し、薬剤の増強効果を検討、④最も重要な間質細胞をいわれている膵星細胞と、上皮系または間葉系膵癌細胞の3次元共培養による癌細胞の細胞動態の変化と薬剤の有効性の検討を行なう。
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Outline of Annual Research Achievements |
膵癌の大部分は膵管癌(腺癌)であるが、患者個人によって細胞形態や機能が異なっており、この多様性(heterogeneity)が早期診断が困難なことや、抗癌剤に対する抵抗性に関与していることが考えられる。近年、我々はヒト膵癌培養細胞株にはE-cadherin高値でVimentin低値の上皮系細胞株と、その逆のVimentin高値でEcadherin低値の間葉系細胞株が存在することを発見した。上皮系と間葉系の膵癌培養細胞株は低接着プレートを用いた3次元培養で、培地中に形成される細胞塊のスフェアの形態や、細胞の増殖能や浸潤能などの細胞動態、有効な抗癌剤も異なることを明らかにした。上皮系および間葉系の膵癌細胞株のスフェアについて細胞表面に局在する糖鎖の特徴をレクチンアレイで検討したところ、上皮系と間葉系のスフェアでは、糖鎖の発現パターンに明瞭な違いがみられた。膵癌細胞は原発巣が大きくなると、肝臓や肺などへ転移しやすいことが知られている。個々の膵癌細胞の水平方向や垂直方向への遊走能の違いは検討されているが、腫瘤を形成した膵癌細胞の周囲への遊走能についての報告はみられていない。我々は、低接着プレートで作成した上皮系と間葉系の膵癌細胞株のスフェアを、通常のプレートに移して接着能と遊走能の違いを検討した。その結果、間葉系の膵癌細胞株のスフェアは上皮系の膵癌細胞株のスフェアに比べ、早期よりプレートに接着して遊走し、接着する面積も広いことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上皮系と間葉系の膵癌培養細胞株の3D培養における特徴を解明することを目指しているが、その中で今回は人体内の原発巣(腫瘤)と類似したスフェアを用いて遊走能の違いを明らかにすることができた。現在までに糖鎖の発現パターンの違いを解明しており、タンパク質の発現パターンの違いについても検討を進めている。人体内の環境に類似した3D培養における膵癌の研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上皮系と間葉系で、それぞれ増加している糖鎖とタンパク質について検討する予定である。ESRP1の過剰発現細胞株を用いて、接着状態と3次元培養での細胞動態の変化と抗癌剤の有効性を確認する。膵癌培養細胞株と膵星細胞の3次元共培養により形成されるスフェアの形態、機能的な特徴について検討する。
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