大腸癌におけるRYBP を介した腫瘍制御機構の解明
Project/Area Number |
22K08889
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森中 孝至 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (70895854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 重紹 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20436380)
久保木 知 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (50571410)
酒井 望 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70436385)
三島 敬 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70802560)
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90334185)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | RYBP / Tumor suppressor / cell cycle / apoptosis / 大腸癌 / p53 |
Outline of Research at the Start |
①臨床検体を用いてRYBPと病理学的因子や予後との関係を検討する。 ②大腸癌細胞株を用いて、癌細胞の悪性度の指標となる増殖、遊走、浸潤能、EMT、apoptosis等が、RYBPをmodulateすることでどのような影響を受けるかを検討する。 ③マウス大腸癌モデル、肝転移モデルを用いてRYBPの働きを増強/knock downした場合の腫瘍形成を評価することで①②で得られた機序を立証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの検討で、2014年までに当院で外科的切除した大腸癌原発巣140例に対して免疫組織学的評価をしたところ、大腸癌原発巣では腫瘍細胞の核内での発現を認め、RYBP低発現群では遠隔転移、術後再発が有意に高い結果となった。さらにRYBP低発現は癌特異的生存率、無病生存率を有意に短縮する結果となった。またapoptosisとの関連を評価するためp53の免疫染色を行いTP53遺伝子野生型、変異型に分類した。するとTP53野生型の群ではRYBP低発現は有意に予後不良であるのに対し、TP53変異型群ではその有意性は認めなかった。それらの結果からRYBPと野生型p53の関連が示唆され、細胞実験にてその詳細を評価することとした。 当教室で保有する大腸癌細胞株のうち、TP53野生型であるHCT116、SW48、TP53変異型であるDLD-1、TP53をknockoutしたHCT116(TP53-/-)の細胞株を用いて評価、解析をおこなった。それぞれの細胞株に対してsiRNAを用いRYBPをknockdownし、Wesrernblotにて蛋白量を評価すると、TP53野生型の細胞株でのみ、RYBPをknockdownすると有意にp53の蛋白量が低下することが確認できた。さらにproliferation assayを行うと、TP53野生型細胞株でのみRYBPのノックダウンにより腫瘍増殖能が促進されることが分かった。 昨年度はさらにplasmidDNAを用いてそれぞれの細胞のRYBP発現を増強させ評価を行い、knockdownでの実験と逆の結果が得られ、RYBPの細胞増殖の抑制効果が証明された。 さらに詳細なp53を介した腫瘍抑制的な働きを評価するため、これら2方向の細胞(knockdown、overexpression)に対し細胞周期,Apotosisに及ぼす影響の検討を追加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の臨床検体を用いた検討結果から、2023年度はin vitro研究を中心に実施した。 vitroにおいてはRYBP高発現の大腸癌細胞株SW48,DLD1を用いて機能解析を行う予定としていたが、一律した結果が得られなかったことから、考察しTP53 statusに着目した。TP野生株、変異株、knockdown株に対してRYBP knockdownないしはoverexpressionした細胞を作成し機能評価を行ったところ、TP53野生型細胞株でのみ一律してRYBPの癌抑制的な働きを観察することができた。さらにTP53を介したRYBPの分子機能評価を行うため、flowcytometryを用いてcellcyle asseyやApoptosis asseyを追加しそれぞれRYBPの関与を証明した。また同時にWesternblotによりp21、cyclinD1、Baxを介した分子機構の証明もできており、おおむね進捗状況としては順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
RYBPは癌細胞のp53、p21、cyclinD1を介して細胞周期G1期の停止を誘導することで、細胞増殖を阻害することが分かった。さらにBaxを介したApotosisの誘導も証明された。今後の研究方向としては大腸癌臨床検体の検討から転移再発の抑制に寄与している可能性が考えられたため、薬剤感受性に対してRYBPがどのように影響するのか検討を予定する。大腸癌治療の主要抗癌剤である5-FUやOxaliplatin投与下でのcell viability assay, cytotoxic assay等を行う予定である。さらにshRNA, viral vector transfectionを用い恒久的なknockdown、overexpression細胞を作成し、in vivoにおいてもRYBPの癌抑制的作用の解明を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)