Project/Area Number |
22K08904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
安田 卓司 近畿大学, 医学部, 教授 (10324782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 元博 近畿大学, 大学病院, 教授 (00278681)
新海 政幸 近畿大学, 医学部, 講師 (80340793)
安田 篤 近畿大学, 医学部, 講師 (60351615)
白石 治 近畿大学, 医学部, 講師 (70388536)
加藤 寛章 近畿大学, 医学部, 講師 (30460900)
萩 隆臣 近畿大学, 医学部, 助教 (50804465)
平木 洋子 近畿大学, 大学病院, 助教 (10709661)
百瀬 洸太 近畿大学, 医学部, 助教 (50749752)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | サブスタンスP / 誤嚥 / 食道癌 / 不顕性脳梗塞 |
Outline of Research at the Start |
高齢患者が多く、手術侵襲は高く、頸部操作もあって術後の誤嚥リスクが高い食道癌の手術患者の誤嚥防止を図るために本研究を計画する。正常の嚥下には嚥下運動と嚥下反射が不可欠である。嚥下リハビリテーションが積極的に行われるが、前者には有効でも後者には無効である。嚥下反射は大脳の指令を受けるサブスタンスP(以下SP)で制御されているため、脳梗塞患者では血中SP濃度が低く誤嚥リスクが高い。脳梗塞非発症患者でも60歳以上の53%は画像的に脳梗塞を有し、その約半数が嚥下関連部位の近傍に認められる。本研究では食道癌術前に血中SP濃度を測定し、低値例に対する薬物投与による術後の誤嚥の発症予効果について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2015年に取得した科研費研究:15K10121「食道癌手術後誤嚥に対する潜在的ハイリスク患者の予測システムの構築とその臨床応用」を発展・継続させている研究課題:22K08904「薬物介入による血中サブスタンスP濃度制御と食道癌術後の誤嚥治療または予防効果」です。これまでの症例集積に加えて、2022年度は24名の症例登録を行いました。症例登録目標は脱落やデータ欠損例を考慮して165例としていますが、現在161例の登録が完了している状況です。2022年度の開始当初は目標登録症例数まで残り28例であり、十分年度内に症例登録は完了し、血中サブスタンスPの測定依頼をする予定でありましたが、別項にも記載しましたように2022年8月に当該病棟でcovid-19のクラスターが発生し、入院と手術に大幅な制限がかかったために症例集積に関して若干の遅れが生じてしまいました。ただ、残りはわずか4例であり、登録が完了した後に本格的に解析に入る予定です。これまで登録が完了した症例に関しては、耳鼻咽喉科医による嚥下内視鏡下の嚥下評価、言語聴覚士の下での嚥下造影による嚥下評価、脳MRIによる不顕性脳梗塞の有無と部位の評価は完了している状況です。術後の誤嚥の有無および嚥下機能の評価は159例で完了しています。今後はターゲットの血中濃度サブスタンスP濃度の測定とその測定値と嚥下機能などの関連を検討していく予定です。現在、No.66の症例まで血中サブスタンスP濃度は測定されていますが、その中間解析の結果では、術前の血中サブスタンスP濃度は50pg/mlで区切ると低値群が有意に術後の誤嚥を発症するリスクが高く(p=0.045)、その有用性に関しては期待が持てると考えています。いずれにしろ、残りに関して症例登録完了後にまとめて測定に取りかかる予定です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度で症例登録は完了し、血中サブスタンスPの濃度測定に取り掛かる予定でありましたが、現在登録終了まで4例であり、わずかに遅れていると判断しています。理由は2022年8月に当該病棟で発生したcovid-19のクラスターです。約1ヶ月間入院・手術に大幅な制限がかかり、その後も病棟の半分がcovid-19患者の隔離病棟として使用が継続されたために予定通りの入院・加療ができなかったのが原因です。ただ、後1~2ヶ月で登録は完了する予定で、その後はすぐに測定に取りかかれる状況にありますので、特に大きな研究進捗の遅れにはつながらないと考えています。
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Strategy for Future Research Activity |
後1~2ヶ月で症例登録は終了すると考えていますので、終わり次第血中サブスタンスP濃度の測定に取りかかる予定です。測定値が判明しましたら、最初の100例で術前の血中サブスタンスP濃度と嚥下機能や不顕性脳梗塞の有無や部位と比較して関連性を検討し、更に術後の嚥下機能および誤嚥の有無と比較して術後の誤嚥予測に関する術前の血中サブスタンスP濃度のカットオフ値を設定し、残りの65例の症例のデータに当てはめてその有用性について検証する予定です。 その後の研究については、現在の研究結果次第ではありますが、血中サブスタンスPの有用性が明らかになったとすれば、実臨床で応用していくために測定の簡易化の開発研究にも取り組みつつ、実際に術前に血中サブスタンスP低値の症例に対して薬物介入で嚥下機能を改善し、誤嚥防止に有効に機能するかの検証を行なっていく予定です。
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