腹腔洗浄液および末梢血を用いた特異的腹膜再発予測バイオマーカーの確立
Project/Area Number |
22K08907
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
伊藤 誠二 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 研究員 (50393129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 歩 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 分野長 (50817567)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 胃がん / 微小転移 / バイオマーカー / プロテオーム解析 |
Outline of Research at the Start |
胃癌の治療成績向上のために、腹膜転移の制御は極めて重要で、現在、補助化学療法としての腹腔内化学療法の有用性を検証する比較試験が行われている。真に腹腔内化学療法の対象となり得る症例を選択するためには、革新的なバイオマーカーによる腹膜播種再発の予測が重要である。本研究では、外科手術時に得られた腹腔洗浄液検体を用いて、タンパク質と抗原―自己抗体複合体の網羅的かつ高深度なプロファイリングを行い、同定されたバイオマーカーについて、アッセイの最適化と独立したサンプルセットでの初期検証研究を行うことにより、精度の高い腹膜播種再発予測法の開発、胃癌腹膜播種の制御と治療成績の向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
胃癌の治療成績向上のために、腹膜転移の制御は極めて重要である。腹膜播種の制御における全身補助化学療法の効果には限界があり、全身・腹腔内併用化学療法の開発が進んでいる。補助化学療法としての腹腔内化学療法の治療対象は、肉眼的には認識できない腹膜微小転移であり、これまでに、高感度の遺伝子ベースの腹膜微小転移検出法が開発されており、一定の役割が示されているが、通常の病理組織学的所見による腹膜再発モデルによる予測を大きく凌駕するには至っておらず、広く臨床応用されるには至っていない。 本研究では、高感度プロテオーム解析技術を応用して、既存研究では見出しえなかった腹腔洗浄液バイオマーカーを同定、精度の高いバイオマーカーパネルを構築することにより、革新的な胃癌腹膜播種の再発予測法を開発する。 これまでに、155例の腹腔洗浄液検体を収集しており、このうち、①手術時腹膜播種症例が31例、②手術後腹膜再発症例が5例、③2年間再発のなかった進行胃癌手術症例が20例、④早期胃癌症例が44例含まれている。 今後、これらの症例から可能な限り臨床因子をマッチさせて、各群3-5例ずつ選び、免疫グロブリン複合体を回収、アルブミンなどの高含量タンパク質を取り除き、リプシン消化後、定量ラベル試薬を反応、ペプチド分画システムによる大規模分画を行い、超高感度な定量的プロテオーム解析を行う。 これらのプロテオームデータと、The Cancer Genome Atlas (TCGA)などの公開されている遺伝子発現データを統合して解析し、胃癌に特異的なバイオマーカー候補の同定を行うとともに、バイオマーカー候補のタンパク質、自己抗体については、ELISA、免疫組織学的染色、プロテインアレイなどを用いた検出アッセイを確立し、組織や腹腔洗浄液検体での検出を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに、155例の腹腔洗浄液検体を収集しており、このうち、①手術時腹膜播種症例が31例、②手術後腹膜再発症例が5例、③2年間再発のなかった進行胃癌手術症例が20例、④早期胃癌症例が44例含まれている。COVID-19感染の広がりによる手術症例数の減少および再発症例の発生が比較的少なかったために予定よりもやや進捗が遅れていたが、定量的プロテオーム解析に必要な症例数の解析が達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、高深度タンパク質解析として、これらの症例から可能な限り臨床因子をマッチさせて、各群3-5例ずつ選び、等タンパク質量の腹腔洗浄液を混合、Protein A/G Beadsを用いて免疫グロブリン複合体を回収、さらにアルブミンなどの高含量タンパク質を取り除く。トリプシン消化後、定量ラベル試薬を反応、ペプチド分画システムによる大規模分画を行い、超高感度な定量的プロテオーム解析を行う。 抗原―自己抗体複合体解析として、免疫グロブリンから選択的に分離したタンパク質をトリプシン消化、サンプル毎に質量分析を行い、免疫グロブリンに結合した抗原タンパク質を同定する。既存のアミノ酸シーケンスデータベースに基づくタンパク質同定に加えて、データベース非依存性のde novoアミノ酸シーケンス解析を行い、遺伝子突然変異に由来するネオアンチゲンや、Long non-coding RNAにコードされるような、未知の免疫原性を有するペプチドの同定も試みる。 これらのプロテオームデータと、The Cancer Genome Atlas (TCGA)などの公開されている遺伝子発現データを統合して解析し、胃癌に特異的なバイオマーカー候補の同定を行う。バイオマーカー候補のタンパク質、自己抗体については、ELISA、免疫組織学的染色、プロテインアレイなどを用いた検出アッセイを確立し、組織や腹腔洗浄液検体での検出を行う。 今後、引き続き腹腔洗浄液検体の収集を継続するとともに、バイオマーカーの初期検証研究として、胃癌患者由来腹腔洗浄液検体(腹膜播種30例、腹膜再発無し70例)を用いて、CEA mRNAなど他の有望なバイオマーカーとともにアッセイを行い、バイオマーカーの組み合わせによる精度向上に取り組む。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)