Project/Area Number |
22K08969
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菊池 慎二 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80588971)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 小細胞肺癌 / 外科手術 / CADM1 / スプライシングバリアント / 細胞接着分子 / スプライシング |
Outline of Research at the Start |
小細胞肺癌は難治性腫瘍の代表である。申請者らは、細胞接着分子CADM1が小細胞肺癌で特異的なスプライシングを受けて、高頻度に過剰発現することを見出した。CADM1の過剰発現は小細胞肺癌患者の予後不良因子であり、小細胞肺癌細胞にCADM1を強制発現させるとマウスでの腫瘍形成能が亢進した。そこで我々は、小細胞肺癌の浸潤転移における分子機構をCADM1-Tiam1経路に基づいて解明する。また、小細胞肺癌の免疫抑制に関わる分子機構をCADM1-CRTAM経路に基づいて解明する。さらに、抗 CADM1 ヒト化抗体を用いて、マウス実験系における小細胞肺癌の浸潤転移抑制を試み、新規治療法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
免疫グロブリン・スーパーファミリー細胞接着分子CADM1は非小細胞肺癌(NSCLC)を含む様々な上皮系の癌において腫瘍抑制に関与する.我々は,CADM1が小細胞肺癌(SCLC)において特異的なスプライシングを受けて高頻度に過剰発現し,悪性増殖能に関与することを見出した.次に,SCLCの分子生物学的特徴を検討するために,SCLC手術症例の長期治療成績の後ろ向き解析した.当院で肺切除術を行いSCLCと診断された102症例を対象としたところ,平均年齢は71.7歳,93人が男性で,99人が喫煙者であった.術式は32例が縮小手術,70例が肺葉切除術で,周術期死亡はなかった.47例に術後補助化学療法を施行し,3例に予防的全脳照射を施行した.病理病期はI/II/III/IVが51/24/26/1例で,平均観察期間は44.1ヵ月,5年生存率は56.8%であった.単変量解析ではCEA正常値(p=0.002),組織学的pure SCLC(p=0.002)血管侵襲陰性(p<0.001),pStage I(p<0.001),術後補助化学療法あり(p=0.045)が有意な予後良好因子であった.また,手術検体の免疫組織化学染色でCADM1及び癌幹細胞マーカー候補(CD133,CD44,ALDH1)の発現を検討したところ,CADM1は71%で強陽性であり、患者の予後不良と有意な相関を示した.一方,癌幹細胞マーカー候補の発現は予後と有意な相関はなかった.以上の研究成果をまとめ,論文投稿中である.また今年度は、胸壁浸潤肺癌に対する検討を加えて,研究成果を「第40回日本呼吸器外科学会学術集会」で発表する事が出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研費交付以前から継続している本研究の研究成果を,今年度は「第40回日本呼吸器外科学会学術集会」において発表する事が出来た. SCLCの分子生物学的特徴を検討するために,小細胞肺癌の手術症例の臨床病理学的因子と長期治療成績を後ろ向きに解析した.当院で肺切除術を行いSCLCと診断された102症例を対象としたところ,小細胞肺癌患者の術後5年生存率は56.8%と比較的良好であった.単変量解析ではCEA正常値(p=0.002),組織学的pure SCLC(p=0.002)血管侵襲陰性(p<0.001),pStage I(p<0.001),術後補助化学療法あり(p<0.045)が有意な予後良好因子であった.従って,SCLCは病理学的に混合型で,NSCLCの腫瘍マーカーであるCEAが高値の時は腫瘍学的に悪性度が高い可能性が示唆された.さらに,SCLC手術検体におけるCADM1発現の解析では,免疫組織化学染色にてCADM1が71%で強陽性であり、患者の予後不良と有意な相関を示した. 次年度に向けてはCADM1に着目したSCLCの血清学的診断法及び予後予測の検討を行っている.CADM1はその細胞外領域がsheddingされ,可溶性蛋白として存在する。さらにSCLCに特異的なスプライシングバリアントは正常肺に発現するバリアントと比較してsheddingを受けやすいことが明らかになった.そこで、SCLC患者の血清中に可溶性CADM1が存在することを検証するため、ELISA法の確立を行っている。また,血中循環腫瘍DNAやRNA,エクソソームを採取して,我々が見出した小細胞肺癌に特異的に発現するスプライシングバリアントを解析することにより,小細胞肺癌の新しい診断法及び治療方針に関わる血清マーカーとなる可能性を検討している.
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Strategy for Future Research Activity |
まず第一に,CADM1に着目した小細胞肺癌の血清学的診断法及び予後予測の検討を進める.CADM1はその細胞外領域がsheddingされて可溶性蛋白として存在し,さらにSCLCに特異的なスプライシングバリアントはsheddingを受けやすいことが明らかになっており,有意な血清マーカーとして期待できる. 次に,SCLC細胞の転移抑制効果をマウスモデルで検証するために、NCI-H69 細胞の尾静脈-肺への転移形成を安定に行えるようにする。そして、CADM1 機能阻害活性をもつヒト化抗体,又は,CADM1分子経路の機能阻害剤を用いて、ヒト SCLC 細胞のヌードマウス転移モデルにおける転移抑制効果を判定する。 さらに近年、癌治療の新しい柱として免疫チェックポイントを標的とした癌免疫療法が急速に発展し、肺癌の分野では、構造的に免疫グロブリン・スーパーファミリーに属するPD-1が臨床応用されている。免疫グロブリン・スーパーファミリーに属するCADM1はCRTAMと結合して癌細胞の免疫応答に関与すること,腫瘍細胞に発現するCADM1は活性化したVγ9Vδ2 T細胞のCRTAMと結合してT細胞の細胞死を導くことが明らかにされた。そこで我々は、CADM1の細胞外領域が担う免疫応答に焦点をあて、小細胞肺癌の免疫抑制に関わる分子機構をCADM1-CRTAMの経路に基づいて解明する。さらに、抗 CADM1 ヒト化抗体を用いて、培養細胞やマウス実験系における小細胞肺癌の浸潤転移抑制を試み、新規治療法の開発を目指す。
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