Project/Area Number |
22K08975
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮田 義浩 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (50397965)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 肺癌 / KRAS G12C変異 / KRAS / Lung cancer / NGS |
Outline of Research at the Start |
本研究ではKRAS変異陽性細胞をKRAS阻害剤と短期間培養することにより耐性株の樹立は不要であり、また耐性が完成する前段階の耐性メカニズムを網羅できる。更に従来は網羅的な遺伝子解析に用いられることが多いNGSを、変異についてはKRASに絞ってdeep sequencingを行うことで微量の変異を検出し、遺伝子のシグナル発現については従来行われている複数の遺伝子の網羅的解析により発現量を解析する点でも、他研究と一線を画する。
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Outline of Annual Research Achievements |
肺腺癌では特定のドライバー遺伝子変異・転座を標的とした分子標的薬は極めて有効だが、耐性獲得が大きな課題である。KRAS変異は肺腺癌のみならず扁平上皮癌においても高い陽性率が報告され、最近開発された新規分子標的薬の臨床応用が期待されているが、その耐性機序についての報告は未だ少ない。本研究ではKRAS変異陽性肺癌細胞をKRAS阻害剤と短期間培養し、1) KRAS自体の微量な耐性変異に絞って深く解析するNGS、2) 特定の遺伝子シグナルの増強を網羅的に解析するNGSを2通り使い分けて、耐性メカニズム解明を目指す。 我々はまず当科で切除された腺癌(877例)、扁平上皮癌(113例)についてKRAS G12C変異の頻度をddPCRを用いて解析した。KRAS G12C変異頻度は腺癌で2.9% (25/877) 、 扁平上皮癌で1.8% (2/113)であり、その変異頻度は両組織型で有意差を認めず、扁平上皮癌においてもKRAS阻害剤も有効性が期待される結果であった。 KRAS変異を有する肺腺癌と扁平上皮癌の複数の細胞株、腺癌 (H23, HOP62), 扁平上皮癌 (Calu-1)に、KRAS阻害剤(AMG-510, MRTX849, ARS-1620)を加え2週間培養した後に細胞を回収し、NGSで下流の遺伝子のシグナル発現増強について解析した。KRAS inhibior投与でmTORのmRNA発現増強を認め、Western Blottingを用いてその再現性を確認した。肺腺癌と扁平上皮癌の細胞株を用いてKRAS阻害剤とmTOR阻害剤 (Everolimus)を併用投与したところ、MTS assay と Colony forming assayで相乗的な細胞増殖抑制効果を肺腺癌と扁平上皮癌の両方で認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々はまず当科で切除された腺癌(877例)、扁平上皮癌(113例)についてKRAS G12C変異の頻度をddPCRを用いて解析した。KRAS G12C変異頻度は腺癌で2.9% (25/877) 、 扁平上皮癌で1.8% (2/113)であり、その変異頻度は両組織型で有意差を認めず、扁平上皮癌においてもKRAS阻害剤も有効性が期待される結果であった。扁平上皮癌での分子標的薬の可能性を示した報告は少なく、大きな進捗と考える。 またKRAS変異を有する肺腺癌と扁平上皮癌の複数の細胞株、腺癌 (H23, HOP62), 扁平上皮癌 (Calu-1)に、KRAS阻害剤(AMG-510, MRTX849, ARS-1620)を加え2週間培養した後に細胞を回収し、NGSで下流の遺伝子のシグナル発現増強について解析した。KRAS inhibior投与でmTORのmRNA発現増強を認め、Western Blottingを用いてその再現性を確認した。肺腺癌と扁平上皮癌の細胞株を用いてKRAS阻害剤とmTOR阻害剤 (Everolimus)を併用投与したところ、MTS assay と Colony forming assayで相乗的な細胞増殖抑制効果を肺腺癌と扁平上皮癌の両方で認めた。この結果も特に扁平上皮癌の分子標的治療の新しい方向性を細胞実験の結果より示している。KRAS阻害剤とmTOR阻害剤 併用についてはほとんど報告がなく、新規知見である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のごとく現時点で実験の進捗は順調である。今後はKRAS自体の微量な耐性変異に絞って深く解析するNGSに注力し、耐性メカニズム解明を目指す予定である。
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