Project/Area Number |
22K09010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松井 啓夫 北里大学, 医学部, 非常勤講師 (00365123)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 耕二 北里大学, 理学部, 教授 (30327324)
天野 英樹 北里大学, 医学部, 教授 (60296481)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | VEGFR1-TK / 肺気腫 / エラスターゼ / 好中球 / TNF-alpha / MMP-9 / VEGFR1 / SDF-1 / CXCR4 / 慢性閉塞性肺疾患 / 血管新生 / VEGF |
Outline of Research at the Start |
慢性閉塞性肺疾患の中で最多を占める肺気腫は, 肺胞の破壊と消失を特徴とする進行・不可逆性の疾患で, 主な原因は喫煙である. 治療法には禁煙, 薬物療法, 酸素吸入等があるが, これらは対処療法に過ぎず, 十分な治療効果は得られていない. 肺気腫組織で血管新生促進因子であるVascular Endothelial Growth Factor (VEGF)の発現低下を認めることから, 本研究ではエラスターゼ誘導肺気腫モデルを用いてVEGF type one Receptor Tyrosine Kinaseシグナルが肺気腫の増悪に関与するか否かを解明し, 新たな治療薬の開発に繋げることを目的とする.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、肺気腫形成に関与する炎症性mediatorの発現がVEGFR1-TKシグナルに依存しているか否かについて検討を行った。WT及びVEGFR1-TKKOを用いて①末梢血液及び肺胞壁組織でのVEGFR1+細胞の発現の違い②VEGFR1+細胞動員に関与するSCFやMMP-9の発現の違い③肺気腫の形成における炎症性mediatorの発現の違いの3つを検討することにした。 ① 末梢血液及び肺組織でのVEGFR1+細胞の発現の検討 (松井啓夫、江島耕二):末梢血液中のVEGFR1+細胞の発現はフローサイトメトリーを用いて確認した。また、肺組織に集積したVEGFR1+細胞は免疫組織化学を用いて確認した。7日目,14日目に両マウスで末梢血液及び肺組織でのVEGFR1陽性細胞の発現について解析したが、予想と反し有意差を認めることが出来なかった。 ② SCF及びMMP-9の発現効果の検討 (松井啓夫):末梢血液中のSCF及び骨髄組織中のMMP-9の前駆体であるpro-MMP-9濃度を経時的ELISA kitを用いて測定を行った。末梢血液でのSCFの値はVEGFR1-TKKOで有意に低下を認めることができた。 ③ 肺組織での肺気腫関連の炎症性mediatorの発現の検討 (天野英樹):WT及びVEGFR1-TKKOでモデル作製後、経時的に肺気腫関連の炎症性mediator (TNF-α、好中球エラスターゼ、MMP-9、MMP-12、MCP-1、SDF-1、CXCR2)のmRNA発現量の測定を行った。WTと比較しVEGFR1-TKKOの肺組織でのTNF-α、好中球エラスターゼ、MMP-9、CXCR2の発現は有意に低下を認めた。MMP-12の発現に関しては有意差を認めることが出来なかった。 上記の結果から今回の肺気腫の形成においてVEGFR1陽性細胞より好中球がmainであることが考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記で記したが、最初VEGFR1+細胞の肺への集積が肺気腫形成に関与している仮説を立て、実験を行ったが、WT及びVEGFR1-TKKOで末梢血液及び肺組織にて有意差を認めることが出来なかった。肺気腫の形成には白血球が関与している報告もある。VEGFR1-TKKOの肺組織でTNF-α、好中球エラスターゼ、MMP-9、CXCR2の発現がWTと比較し有意に低下を認めた。この結果より肺気腫形成に白血球の肺への集積が関与している可能性が示唆され、今後、好中球に的を絞って検討して行く予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度はVEGFR1+細胞の肺への集積について検討してきたが、来年度は白血球に焦点を変更し、肺に①白血球が集積し肺気腫形成に関与するのか②集積した白血球がSDF-1/CXCR4経路に依存しているか否かについて検討を行い、以下に記す3つの実験を行う予定である。 ① 肺の気腫化に白血球が関与しているか否かの検討 (松井啓夫、天野英樹、江島耕二):WTにVEGFR1-TKKOのモデルを作製後、7,14,21日目に肺を摘出し、肺への白血球の集積及び肺の機能的評価及び組織像で肺胞間距離を測定する。 ② 白血球の肺への集積にCXCR4/SDF-1経路が関与しているか否かの検討 (松井啓夫):WT及びVEGFR1-TKKOでモデル作製後、4週間後に肺組織を摘出しSDF-1、CXCR4が染色で染まるか否かの検討を行う。 ③ SDF-1及びCXCR4中和抗体による肺気腫の抑制効果の検討 (松井啓夫):WT及びVEGFR1-TKKOでモデル作製後、4週間、隔日にSDF-1及びCXCR4中和抗体を腹腔内投与する。4週間後に肺の機能的評価及びH.E染色にて肺胞間距離を測定する。
|