Project/Area Number |
22K09136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
朝倉 英策 金沢大学, 附属病院, 准教授 (60192936)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | DIC / 播種性血管内凝固 |
Outline of Research at the Start |
播種性血管内凝固(DIC)の本態である持続性の著しい凝固活性化状態と微小循環障害、および炎症と血管作動性物質との関連について、組織因子(TF)誘発DICモデルと、LPS誘発DICモデルの2種類のDICモデルを用いて究明する。 臓器障害や血管内皮障害の見られないTF誘発DICモデルでは、臓器障害が高度なLPS誘発DICモデルを凌駕する一酸化窒素(NO:血管拡張性物質)の産生が見られるが、その産生機序を解明することで、DICにおけるNOの役割を明らかにする。 また、炎症と凝固のクロストークを遮断するために、血管作動性物質を制御する方法を開発することで新規治療法開発へつなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
DICの本態は、著しい凝固活性化と微小血栓多発であり、進行すると不可逆的な臓器障害や出血症状をきたす。DICモデルを用いた我々の検討では、充分な抗凝固療法を行っても、特に炎症の強い病態では微小循環障害や内皮障害に起因する臓器障害を伴うDICの進展は不可逆的であり、凝固活性化以外の要素が病態に深く関与していると考えられる。血管作動性物質は、DICの循環動態に影響を与える可能性が高いが、その意義を一部解明した。これまでの検討から、LPS誘発DICモデルと組織因子誘発DICモデルでは、多くの相違点を有している。DICモデルでの検討を行う際には、DICモデルの病型を意識した検討が必須である。 これまでに、線溶抑制型DICモデルに対してtPAを「予防的」投与して病態への影響を検討し、tPAは有効かつ安全な治療方法になりうる可能性を指摘した(Thromb Res,2021)。2022年度、2023年は更に検討を進めて、同じ用量であっても、投与時間を長くすることによって効果は有意に向上し、出血の副作用も少なくなることを明らかにした。また、tPAは「予防的」投与のみならず、DICモデルが完成した後の「治療的」投与でも有効であることを明らかにした(日本検査血液学会教育講演, 2023)。一方で、PAI阻害薬は、ラットDICモデルの病態を改善しないことも明らかにした。 自己免疫性後天性凝固第V因子欠乏症に線溶亢進型DICを合併した場合、副腎皮質ステロイドによる抗第V因子抗体消失を期待した治療とともに、直接経口抗凝固薬とトラネキサム酸を併用した治療が有効であることを見出した(Int J Lab Hematol, 2024)。大動脈瘤・血管奇形に合併したDICに対する新たな治療戦略につき発表した(日本脈管学会学術総会シンポジウム, 2023ほか)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DICの病型分類は、DICの病態解析、診断、治療法の開発などDIC研究の根幹に関わる極めて重要な概念である。線溶亢進型DIC(組織因子誘発モデルに類似した病態)、線溶抑制型DIC(LPS誘発モデルに類似した病態)といったDICの病型分類は我々が世界で最初に提唱した考え方であるが、国際的に共有された概念とまでは言い難かった。我々は、数々の論文および学会発表を通して、DICの病態の多様性について報告を行ってきた。 我々は、LPS誘発モデルに対してtPAが有効であることを発見した。しかも、出血症状が全く見られない用量や投与方法も明らかにした。これまでに、血栓止血学的分子マーカー、炎症性サイトカイン、病理学的所見、出血症状などの観点から、同じ用量であってもtPAを長時間かけて投与するのが、有意に有効かつ安全であることを明らかにした。しかも、tPAの予防的投与のみならず治療的投与でも有効であることを究明した。一方で、PAI阻害薬の2種類について検討したが、DIC病態を全く改善しなかった(むしろ悪化傾向になった)。この理由は不明であるが、DICのような厳しい病態に対してはPAIを中和するのみでは不十分であり、血栓溶解の付加的効果も必要なのではないかと考察している。 複数の出血性素因が合併している場合、それぞれに対する治療を適切に行うことが重要と考えられた。また、大動脈瘤・血管奇形などの血管異常に合併したDICに対する新たな治療戦略につき検討を重ね、数々のシンポジウムや講演での発表を行なってきた。近い将来に、DIC診療ガイドラインに掲載される見込みになった。
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Strategy for Future Research Activity |
DICモデルの作成:ラットを使用し、DIC惹起物質であるLPSまたは組織因子を尾静脈より持続点滴し、DICモデルを作成する。DIC惹起 物質投与前、投与中、投与後における血小板数、フィブリノゲン、PT、D-ダイマー、AT、TAT、PAIによりDICの 発症、病型(線溶抑制型DICまたは線溶亢進型DICのモデルであるか)を確認する。 LPS誘発DICモデルとTF誘発DICモデルの病態比較検討:両DICモデルにおいて、凝固線溶動態のみでなく、血管作動性物質(エンドセリンETおよび一酸化窒素NO)の動態観察、ETおよびNOの発現臓器を同定することにより両DICモデルにおける血管作動性物質のDIC病態へ の関与・役割を考察する。 DICにおけるNO産生に関与するNOSアイソザイムの同定:両DICモデルの臓器におけるiNOS-mRNA、eNOS-mRNAの発現程度を評価することにより、NO産生に関与するNOSアイソザイムを同定する。我々の予備実験により、LPS誘発DICモデルと組織因子誘発DICモデルのいずれにおいても血中NOXは著増するが、LPS誘発DICモデルではiNOS-mRNA発現が著増しているのに対し、組織因子誘発DICモデルではiNOS-mRNAの発現はなく、他のNOSアイソザイムがNO産生に関与しているらしいことを観察中であるが、アイソザイムの同定には至っていない 。 各種NOSインヒビター投与によるNO産生への影響:両DICモデルに対するアイソザイム特異的NOSインヒビターの投与に伴うNO産生への影響を観察することにより、NO産生に関与するNOSアイソザイムを確認可能である。また、特異的NOSインヒビターの投与に伴う、凝固 線溶病態、微小血栓形成、臓器障害、血行動態への影響を評価することにより、両DICモデルにおけるNOの役割を明らかにする。
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