Project/Area Number |
22K09186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
川井 廉之 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90445073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 章文 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 教授 (70536721)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 敗血症 / 迅速診断 / 16SrRNA / PCR |
Outline of Research at the Start |
敗血症の治療において、適切な抗菌薬を1時間以内に投与することは極めて重要である。しかし、現在この課題に対応可能な検査法は開発されていない。申請者はこれまでに血液検体から直接細菌DNAを検出するために細菌DNAを特異的に増幅するPCR法の開発を行ってきた。本申請課題では、敗血症患者の検体から直接細菌DNAを特異的に増幅する技術を、超高速PCR装置に導入することで、極めて短時間で血液検体から直接細菌DNAを特異的に増幅する検査法を確立することで、臨床現場に敗血症原因菌の情報を提供することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
敗血症の原因菌の早期同定のために、多くの研究機器の開発が進んでいる。しかし、臨床で採取された血液サンプルから直接細菌同定を実現するためには、多くの課題がある。 まず、背景に存在する大量のヒトDNAとの交差反応である。臨床サンプル中の全血中には主として白血球由来のヒトDNAが多量に存在するが、その一方で細菌DNAは極めて少量である。このため、特異度が高いPCR法であっても従来のPCR条件では、ヒトDNAとの交差反応によって特異的に細菌DNAを増幅させることは困難であった。本研究課題において、すでに先行研究で一定の特異的細菌DNAの増幅を可能とするオリジナルデザインのプライマーの開発をさらに進め、より多様な菌種をターゲットとしてプライマーのデザインを行う。この際、対象菌種の増加により、実際の細菌DNAを用いた検証では限界があったため、In silicoでの検証の環境構築を行い、多様な菌種に対する検証を実施した。 次に、作成したPCR条件を用いた臨床サンプルに対して、偽陰性・偽陽性の観点から臨床面での有効性を検証した。臨床応用を考慮する場合、細菌DNAの高い検出能を維持しながら、偽陽性をどの程度排除できるかが課題となった。最適な条件を確認するため、PCR条件を再度見直し、偽陽性の可能性を現段階で最大限に排除する一定の条件を確認した。本研究で開発したPCR条件と検出の条件について、学術集会での発表と論文投稿を行った。 さらに、偽陽性を一定の確率で発生させる原因が確認できたことから、新たな検体処理条件の確立を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特異的な細菌DNAの増幅に伴って生じた偽陽性の排除を行うための条件の確立を行ったが、現段階では検出能の低下を引き起こす可能性がある。このため、新たな臨床サンプルを対象とした検体処理法の適応を進めているが現在進行中であり、迅速検査系への臨床サンプルの応用が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで作成した細菌DNAを特異的に増幅可能なPCR条件に利用できる新しいサンプルの処理条件を確立する。これによって、偽陽性を抑制しながら検出率が向上した一連の検査法を確立し、迅速検査系への導入を進める。具体的な方法としては、迅速PCR装置を用いた細菌DNAの特異的増幅条件の確認と、超高速シーケンサーを用いた配列解析の可能性の確認を行う。
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