Project/Area Number |
22K09214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
中瀬 裕之 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (10217739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 光利 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (00305715)
中澤 務 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00772500)
中川 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20550825)
松田 良介 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60453164)
竹島 靖浩 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60510203)
西村 文彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70433331)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | mesencymal stem cells / exosome / ischemic stroke / Mesenchymal stem cells / Ischemic stroke |
Outline of Research at the Start |
脳動脈虚血に対しては傷害された中枢神経組織の再生医療、特に骨髄由来間葉系幹細胞治療の研究が先行し、数多くの臨床試験が行われているが、最適の投与経路や投与時期など不確定な要素が多く、有効性に関して否定的な報告も散見される。 今回、脳静脈虚血による神経組織障害に対する治療法の開発を目指し、当教室で継続的に研究を行ってきたラット脳静脈閉塞モデルに対して、申請者らが新規に開発した脂肪組織由来幹細胞及び幹細胞由来エクソソームを投与し、治療による脳静脈虚血の病態の解明と再生医療の有用性を解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
全身麻酔を施したウイスターラット(他家)の腹腔から採取した脂肪組織をハイドロキシアパタイト処理した不織布(ポリエチレンポリプロピレン等の高分子素材)を分離用基材として使用し、脂肪組織をトラップ、自己血清を添加して脂肪組織由来幹細胞(ADSC)が分離・培養できた。2週間の培養を継続し、不織布に付着して増殖する細胞の確認とともに、トリプシン処理した細胞をプラスチックフラスコに移行し、培養を継続できた。不織布に付着している脂肪組織は再度培養系に戻せることも確認できた。集密的に細胞が増殖したのち、継代によって拡大培養を行い、目的数の1億個の細胞を得ることも可能であった。無血清培地で48時間培養した ADSC の培養上清を 2000×gで遠沈、フィルター濾過したサンプルを100,000×g,70分で超遠心し、エクソソームを洗浄、回収した。 Two-vein occlusion model作成は、申請者らが確立した方法に準じて行い、ラット脳表に隣接する2本の静脈を照射し、静脈血栓を作成した。脳皮質静脈閉塞処理の24時間後、2週間後にラットADSCを尾静脈より投与した。運動麻痺の評価を行った後、静脈閉塞処置の6週間後に、ラットを sacrifice し、病理学的解析を行った。ラット脳組織は前頭皮質の冠状断で、閉塞した2本の静脈が入るように 5mm 間隔の切片を作成し、H.E. 染色で全体像を観察した後、グリア細胞を GFAP、神経幹細胞,神経前駆細胞マーカーの doublecortin、神経細胞マーカー neurofilament、NeuN、血管内皮は RECA-1、血管周皮を PDGFR-β 抗体を用いる免疫組織染色、髄鞘の評価はトルイジンブルー染色を用いて、梗塞巣及び周辺部微小環境の病態、神経幹細胞や神経前駆細胞の遊走、血管再生の有無などを解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者らが継続的に研究を行ってきたラット 2-VO model を用いて、定期的に静脈梗塞モデルを作成することができ、幹細胞治療の動物モデルとして確立できている。 また、申請者らが新規開発したラット脂肪組織由来幹細胞(ADSC)の養拡大・培養も、ハイドロキシアパタイトを塗布した不織布を分離用基材として使用することにより、予定通りの細胞を得ることがことができている。 ADSC 由来エクソソーム (Extracellular vesicles (EVs) derivedfrom ADSC such as exosomes, ADSC-EVs) は、超遠心法により回収でき、成分解析も施行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット静脈梗塞モデルに対して、ADSC 及び ADSC-EVs を投与し、これまでに報告のない脳静脈虚血に対する ADSC の治療効果とその病態の解明を行っていく。ADSC の経静脈的投与(1000000個)は、脳皮質静脈閉塞処理の24時間後、2週間後に1回投与する群に分けて尾静脈より投与する。複数回投与として24時間後、2週間後、4週間後に計3回、同量の ADSC を投与する群も設定する。回収したエクソソームの確認は表面マーカー(CD63, CD81)に対する抗体を用いて、ウエスタンブロットで検出し、エクソソームであることを確認する。 ADSC-EVs (100μg)単独投与は、脳皮質静脈閉塞処理の24時間後、2週後、4週間後に計3回、尾静脈より投与する。ADSC と ADSC-EVs の併用投与は静脈閉塞処理の24時間後、同量の ADSC と ADSC-EVs を併用投与した後、2週間後、4週間後にも ADSC-EVsを同量投与する。 治療効果は運動麻痺の評価とともに、静脈閉塞処置の6週間後に、ラットを sacrifice し、病理学的解析を行う。得られた結果から、ADSC・ADSC-Evs の投与時期、回数など最も治療効果を増強する投与方法を解析する。
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