Project/Area Number |
22K09229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
赤井 卓也 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (50222500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 誠士 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (10456361)
八田 稔久 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20238025)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 脳脊髄液 / 粒子 / マウス / 胎児 / 流出路 / 脳脊髄液循環路 / 脳老廃物排出 / 薬物運搬 / 細胞運搬 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、脳脊髄循環路(経路と組織構造)を解明することで脳発生老廃物の頭蓋外への排出を促進する手法を開発し、それにより脳の水分調整だけなく、認知症、脳老化、神経性疾患の予防・治療に役立てること。また、解明した経路を経由して脳へ薬物及び細胞運搬手法を確立し、脳腫瘍治療神経再生治療へと発展させることを目的とし、次の研究を行う。 1)頭蓋外への脳脊髄液排出経路の可視化とその組織の同定 2)ヒトでの脳脊髄液排出経路の確認 3)脳代謝老廃物排出促進方法の開発 4)脳への薬物、細胞運搬法の開発
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Outline of Annual Research Achievements |
1) 頭蓋外への脳脊髄液排出路の可視化とその組織同定 a. 胎盤につながれた状態の胎児マウス(胎生13日)脳室に金コロイドを注入し、一定時間の後に取り出し固定。その後、標本を銀染色、透明化するとことで胎児全身において集積した金粒子を可視化している。これまでの研究で、脳室への注入手技、透明化、銀染色手技は確立した。脳室壁、頭蓋底、脊柱管に金粒子の集簇がおこることがわかった。また、蛍光色素脳室内注入標本の解析において、脳室内脈絡叢、視神経周囲も脳脊髄液排出路の候補となることが判明した。 b. 脳室内脈絡叢への脳脊髄液内粒子流入の電子顕微鏡解析: 胎盤につながれた状態の胎児マウス(胎生13日)脳室に金コロイドを注入し、一定時間の後に胎児を摘出し、電子顕微鏡用サンプルとして固定。脈絡叢を含む切片を作成した。これらの条件を設定し、電子顕微鏡下での解析へと進んでいる。 c. 眼球への脳脊髄液排出路の解析:母体マウス眼球に金コロイドあるいは蛍光色素を注入し、それらの頭蓋内への移動経路を解析中である。母体での金コロイド集積状態を確認するためには、母体頭部の脱灰、透明化が必要であり、その条件設定を行っている。母体内での蛍光色素移動路の解析には、組織の固定、脱灰、可視化が必要であり、その条件設定をおこなっている。 2) アクアポリン発現解析:水移動の重要な要素であるアクアポリン1, 4発現を胎児においてELIZAで解析した。胎児の各部分のホモジネートを作成し、それらにおけるアクアポリン発現を解析し、脈絡叢に強発現していることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・胎児への目的物質の注入、透明化、抗体・蛍光色素選択、染色などの実験手技が確立し、安定した結果がでるようになった。 ・注入した粒子の集積部位が判明し、解析targetとなる部分がほぼ解明された。 ・電子顕微鏡用の組織固定、目的部位の同定、切片作成の手技が確立した。 ・眼球からの頭蓋内への脳脊髄液経路の解析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 脳脊髄液排出路の可視化とその組織の同定:研究分担者と検討を重ね、targetとなっている脳脊髄液頭蓋外への流出路を同定する。脳室内脈絡叢は、これまで脳脊髄液産生部位と考えられてきたが、そこでは脳脊髄液が双方向性に動いていることを証明する。そのため、電子顕微鏡下での脈絡叢上衣細胞間、細胞内への金粒子流入解析を進める。 2) 新たな脳脊髄液流出路候補となった眼球への経路解析を行うため、母体眼球へ金粒子、蛍光色素注入を行い、それの解析手法を確立し、経路を可視化する。 3) 脳代謝発生老廃物排出促進方法の開発:頭蓋内から頭蓋外への粒子排泄には分子量、分子サイズで制限されるゲートがあることがわかったので、アミロイドβ集積を阻害する方法を開発する。脳脊髄液の動きを促進することでそれの蓄積を阻害できる可能性があり、その手法を開発する。 4) 脳への薬物、細胞運搬法の開発:当教室では、細胞の鼻腔内投与と脳梗塞、脳挫傷における、その効果を解析する研究を行っている。効率的に鼻腔から頭蓋内へ、細胞、薬物を移動させる方法の探索を進める。 5) 水頭症モデルにおける鼻腔薬物投与効果の解析:カオリン脳槽注入により水頭症モデルを作成し、鼻腔内薬物注入による水頭症改善効果を解析する。
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