Investigation for the molecular biological role of myoglobin in the cerebral aneurysm walls
Project/Area Number |
22K09232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木村 英仁 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90514753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠山 隆司 神戸大学, 医学研究科, 教授 (10379399)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | myoglobin / cerebral aneurysm / mechanism / thin wall / thick wall |
Outline of Research at the Start |
我々はこの度、ヒト脳動脈瘤壁プロテオーム解析によって動脈瘤壁にミオグロビンが存在することを初めて発見した。ミオグロビンは動脈瘤壁の破壊・菲簿化に関与するとされる一酸化窒素(NO)の不活化作用を持つとされる。そこで、動脈瘤壁のミオグロビンは、NOやNO合成酵素iNOS等の壁菲簿化に関わる蛋白を抑制し抗菲薄作用を持つのではないかと仮説を持った。本研究では瘤壁肥厚・菲薄部におけるこれら物質の発現特異性の組織学的検証を行い、さらにミオグロビンノックアウトラット脳動脈瘤モデルを使用した脳動脈瘤発生形式を野生型と比較検討を行うことで、脳動脈瘤壁におけるミオグロビンの役割を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
未破裂脳動脈瘤の破裂のメカニズムは未だ十分に解明されていない。動脈瘤破裂は壁の菲薄部で起こるとされるが、実際の動脈瘤壁には壁の菲薄部と肥厚部が混在している。壁を菲薄化あるいは肥厚化させる要因を明らかにできれば、動脈瘤の破裂機序解明、破裂予防策を見出せる可能性がある。我々はこれまで数値流体解析によって瘤壁血流の“よどみ”が少ない部分は菲薄化し、逆に多い部分は肥厚化することを突き止めて報告してきた。本研究では、この“よどみ”が壁の菲薄・肥厚を引き起こす分子生物学的機序を解明することである。先行研究として脳動脈瘤手術の際に、脳動脈瘤壁の菲薄部・肥厚部を別々に採取しプロテオーム解析を行った。そしてこの度初めて脳動脈瘤壁の肥厚部にミオグロビンを発見した。ミオグロビンは、瘤壁菲簿化に関与する一酸化窒素(NO)のスカベンジャーとしての機能があるとされる。そこで、本研究では、①「ミオグロビンとNO合成酵素(iNOS)等壁菲簿化に関わる蛋白の瘤壁肥厚・菲薄部における発現特異性を組織学的に検証すること」、②「野生型とミオグロビンノックアウトラット脳動脈瘤モデルを使用して脳動脈瘤発生形式の比較検討」を行い、壁肥厚・菲薄化におけるミオグロビンの分子生物学的役割を明らかにすることを目的としている。①について、手術患者16名からの動脈瘤標本(壁肥厚部7箇所、菲薄部4箇所、混在部8箇所)の組織学的検討を行い、中膜平滑筋層にこの度初めて筋線維芽細胞を同定でき、これによりミオグロビンが産生されていると思われること、また動脈瘤壁のミオグロビンの密度とコラーゲン繊維密度に相関があることを見出した。これはミオグロビンの壁肥厚効果を裏付ける結果と思われる。現在、これらの研究成果を現在論文化している。②について、ラットの脳動脈瘤モデル作成に成功し、現在、動脈瘤の大型化、安定化、さらに標本作成段階での工夫を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトの脳動脈瘤サンプルを用いた研究では上述のように一定の見解を見出すことができた。今後もさらに検体数を増やし検討していく予定である。ラット脳動脈瘤モデル実験について遅れている。ラット動脈瘤モデルの作成には成功したが、できた動脈瘤を薄切しプレパラートに置いて染色を行う過程で難渋している。そのため、当初は標本のパラフィン固定から行なっていたが、現在は凍結標本から行う手法に変更した。また、クリオスタットの標本台の冷却機能が故障し、現在、コスト面から学内の他研究室よりクリオスタット借用の手続きを進めている。これにより検鏡可能なプレパラート作成ができる見込みである。作成できる動脈瘤を検鏡しやすくするためさらに大型の動脈瘤の作成を企図し、ラットの餌に文献上の報告から0.12%b-aminopropionitrileの追加を開始した。これは動脈瘤壁のコラーゲン繊維の架橋構造を切れやすくするもので、動脈瘤の形成が促進され大型化が見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット動脈瘤モデルによって作成できる動脈瘤を大型化でき安定してプパラートを作成できるようになれば、当初の予定どおり、ラット動脈瘤壁におけるTumor necrosis factor-α(TNF-α), matrix metalloproteinase (MMP)- 2, 9, Nuclear factor-kappa B (NF-κB), Monocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1), inducible nitric oxide synthase (iNOS) , interleukin-1β(IL-1β)などの動脈瘤壁を菲薄化させるタンパク、さらに我々が発見したミオグロビンや筋線維芽細胞などの発現状況を検証し定量的に評価する。その後、ミオグロビンノックアウトラットを作成し、同様の手法で脳動脈瘤を誘発し取り出し、出来方の違いを組織学的に検討、発現タンパクについて定量的評価を行う。これらにより動脈瘤壁におけるミオグロビンの役割について検討する。また、新たに得られたヒト脳動脈瘤壁サンプルを用いて追加プロテオーム解析を行い、ミオグロビン以外に壁肥厚部あるいは菲薄部に特異的に発現するタンパクの探索を続ける。これらから得られた知見、結果を国内、国際学会にて報告し論文を作成し学術雑誌に投稿する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)