Project/Area Number |
22K09240
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
中川 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20550825)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 虚血耐性現象 / MCU / カルシウムイオン輸送 / Ischemic PostC / Mitochondria / postconditioning / MPTP / NMDA / reperfusion injury |
Outline of Research at the Start |
ミトコンドリア局在 KATP チャンネルの活性化がミトコンドリア膜透過性遷移孔 (MPTP) の部分的な開口を誘導し神経保護効果をもたらすことを解明し、ミトコンドリア膜電位(⊿ψ) の調整が ischemic post-conditioning 現象の重要な因子であることを明らかにした。一方、最近ミトコンドリア細胞内膜に存在するミトコンドリアカルシウムユニポーター (MCU) の分子構造が解明され注目されている。今回申請者はischemic post-conditioning 現象における MCU の役割についてパッチクランプ法を用いて電気生理学的に検証し、本現象の詳細な機序を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】我々は虚血耐性現象がmito KATPチャネルによるミトコンドリア膜電位制御の結果、細胞質内Ca2+濃度上昇を抑制することをパッチクランプ法で電気生理学的に解明した。一方、そのCa2+流入機構については未だ不明である。また近年、ミトコンドリア内膜に存在するミトコンドリアCa2+単輸送体(MCU)が注目されている。【目的】 MCU阻害薬 Ru265を用い、PostCにおけるMCUの役割を検討した。【対象・方法】<BR>C57BLマウスのCA1錐体細胞に、1)Control群:5分間の酸素投与→7.5分間の虚血負荷→20分間の再灌流、2)PostC群:7.5分の虚血負荷後、15秒おきに3回の間欠的な虚血負荷を加える、3)PostC+Ru265群の3群で、EPSC発生率、細胞質Ca2+濃度、NMDA受容体電流、ミトコンドリア膜電位の変化をパッチクランプ法で測定し、それぞれの死細胞数についても計測した。【結果】 Post C群ではEPSC、Ca2+濃度、NMDA受容体電流の上昇は有意に抑制されたが、Ru265群はControl群と同様にこれらの抑制効果が消失し(p<0.001)、死細胞数も有意に増加した(p<0.001)。またPostC群は再灌流後にミトコンドリア膜電位の脱分極が生じ、以後も維持されたが、Ru265群ではその状態が維持されなかった(p<0.001)。<BR>【考察】Ru265は細胞内浸透が高く、細胞障害も少ないMCU特異的な阻害薬である。本剤がPostCにおけるミトコンドリア内へのCa2+流入を阻害し、PostCのKey processであるミトコンドリア膜電位が維持できなくなり、神経保護作用が消失した。【結論】PostCにおけるMCUのCa2+代謝は、神経保護作用およびその状態維持に重要な役割を果たしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は順調に進んでいる。1本目の論文は出版された。
|
Strategy for Future Research Activity |
MCU開口薬の効果、またはdrug deliveryについての検討を進めている。
|