Project/Area Number |
22K09241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
西川 泰正 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80445113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 邦昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00305989)
藤原 俊朗 岩手医科大学, 薬学部, 講師 (60405842)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 統合失調的精神症状 / FC-DRBP / STN-DBS / 精神症状 |
Outline of Research at the Start |
視床下核脳深部刺激療法(STN-DBS)術後に新たに統合失調症的な幻覚、妄想などの症状(以下、統合失調的症状)を呈することがある。そのメカニズムは不明であり、術前に症状出現を予測することは難しい。本研究は、11C-FLB457-PETをSTN-DBS術前後に撮像し、その変化率について、精神症状スコアにて分類した精神症状出現群と非出現群間で統計学的に比較する。さらに、統合失調症的症状を呈した群における11C-FLB457-PET画像の要素を機械学習の正解データとしたradiomics解析によって、STN-DBS術後に精神症状出現が予測されるパーキンソン病患者を特定する新たな手法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD)患者は病期が進行すると運動症状の悪化に加え様々な精神症状を合併する事がある。視床下核を対象とした脳深部刺激療法(STN-DBS)はPD患者の運動症状を軽減させることが期待できるが、その一方で術後新たに統合失調症的な幻覚、妄想などの症状(以下、統合失調的精神症状)を合併することがある。この統合失調的精神症状の出現は術後患者のquality of life(QOL)を更に低下させるとともに、介護者の身体的・精神的負担が増加する要因となりうる。そのためSTN-DBS導入前に重要なのは術後の統合失調的精神症状出現に関するリスク評価を行う事であるが、現状では術後の統合失調的精神症状出現を十分に予測することはできていない。近年、前頭葉皮質に存在する神経受容体(とりわけD2/3受容体)結合能と精神症状との関連が強く示唆されている。そこで本研究は、STN-DBS術前後において、D2/3受容体結合能の評価が可能な11C-FLB457-PETを用いて前頭葉D2/D3 dopamine receptor結合能(FC-DRBP)を測定し、統合失調症的精神症状の重症度スコアとの相関を明らかにし、術前FC-DRBPを加えた全パラメータに対するradiomics解析に基づき、STN-DBS術後統合失調症的精神症状発症予測法の確立を目指すことを目的としている。STN-DBS術前後に11C-FLB457-PETならびに認知機能及び精神症状スコア等を記録し、術後に何らかの精神症状出現した群(P-Group)と非出現群(non-P-Group)、P-Groupの中で統合失調的精神症状が出現した群(SP-Group)間で、スコアの変化率およびFC-DRBP値に差があるか統計学的に検証するため現在症例蓄積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国内の学会や研究会に参加し、他大学や他施設の研究者と術後の精神症状について意見交換を行ってきた。 しかしながら肝心のSTN-DBS手術施行件数が当初の計画より大幅に少なく、症例蓄積が進んでいない。また、自身の術後に統合失調的精神症状が出現するリスクを恐れ、研究に協力が得られないばかりか手術そのものを拒否するケースもあったため、ひとまずのところPET撮像は術後に同意を得られたP-Groupとnon-P-Groupのみを対象に行っている。現時点ではP-Group症例のPET撮像はできたが、SP-Group症例において自傷行為等により研究への参加を断念した症例もあった。よって現時点では本研究に関する成果を発表できる状況にはなく、症例蓄積と解析を継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究への協力者を増やすためには、患者自身もしくはその家族が精神症状出現の可能性についての正しい知識と理解を得る必要があるため、患者団体への働きかけや公開講座などによる啓蒙活動を行なう。昨年度は秋田県内で公開講座を行った。また、本研究参加への同意を得られるように術前に再度研究の目的と方法を個別に詳しく説明してゆく必要がある。計画通りにSP-Groupを集めるのは難しいため、ひとまず集まったP-Groupの症例毎にその特徴を解析し、成果発表する。
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