Project/Area Number |
22K09250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉岡 孝志 山形大学, 医学部, 教授 (90271981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 修平 山形大学, 医学部, 助教 (90637175)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / 高悪性度髄膜腫 / 髄膜腫 / 細胞老化 |
Outline of Research at the Start |
この研究は、「高悪性度髄膜腫」という、治療困難な腫瘍に対して、「細胞老化」という新しい機序に着目して新規治療方法を提案する画期的な研究です。使用する予定のベースの薬剤もゲムシタビンという非常に安全性の高い古くからある比較的安価な薬剤で、実現性も非常に高いものです。今回は、さらに、分子標的薬を上乗せすることでさらに殺細胞性を高めていくことを狙っています。
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Outline of Annual Research Achievements |
高悪性度髄膜腫はしばしば再発をきたし予後不良となるが、現状の標準治療は外科切除、放射線治療に限られるため有効な化学療法の開発が切望されている。申請者らは世界に先駆けて高悪性度髄膜腫が代謝拮抗薬ゲムシタビンに極めて高感受性であること見出し、さらにその高感受性の分子機序を明らかにした。本課題はこれらの知見に基づき、ゲムシタビンを基軸とした高悪性度髄膜腫に対する化学療法を確立することを目的に様々な角度から検討を行っている。今回申請者らはゲムシタビンの増殖抑制効果がp53依存的であること、また、高悪性度髄膜腫を含め多くの髄膜腫においてp53遺伝子に変異が見られない(野生型である)ことに着目し、野生型p53活性化薬が高悪性度髄膜腫のゲムシタビン感受性を高めることができるのではないかと考えた。そこでp53の機能制御・発現に関わる種々の分子について検討を試みたところ、野生型p53の機能抑制に重要な役割を果たすMDM4が髄膜腫において悪性度依存的に高発現していることが明らかとなった。そこで申請者らが独自にMDM4抑制作用を見出していた小分子キナーゼ阻害薬CEP1347の効果を検討したところ、CEP1347が高悪性度髄膜腫細胞においてp53を活性化し増殖を抑制することが判明した。加えて、MDM4とともにp53の機能抑制に重要な役割を果たすMDM2に対する阻害薬をCEP1347と併用したところ、正常細胞には毒性を示すことなく高悪性度髄膜腫細胞に対しては相互協調的なp53活性化・増殖抑制効果が得られることが明らかとなった。以上の申請者らの成果から高悪性度髄膜腫細胞においては野生型p53自体がよい治療標的となることが初めて明らかとなった。今後は下記の通りゲムシタビン感受性との関連について検討を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲムシタビン感受性に関与することが知られているp53を高悪性度髄膜腫において効率よく活性化するための新規薬剤とその組み合わせを見出すことに成功し、それらのみでも一定の治療効果が期待できることを明らかにし論文として公表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はゲムシタビンの高悪性度髄膜腫細胞に対する増殖抑制効果におけるp53の役割を明らかにするとともに、上記p53活性化薬とゲムシタビンの併用効果についての検討を予定している。
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