Project/Area Number |
22K09297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
丹羽 陽子 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 糖尿病研究部, 研究員 (60623618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 俊一 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 糖尿病研究部, 研究室長 (10600546)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 頸動脈狭窄症 / 血管内皮細胞血流感知システム / 頚動脈狭窄 / P2X4 |
Outline of Research at the Start |
P2X4遺伝子欠損マウスとwild typeマウス、およびP2X4阻害剤 paroxetine投 与・非投与マウスに対して、実験的頚動脈狭窄処置を施して両群の狭窄進行度や炎症因子の 発現量などを比較し、狭窄形成における血管内皮ずり応力感知機構の役割を検討する。高コ レステロール飼料を摂取中のマウスに狭窄処置手術を行い、術3週後に頚動脈を摘出し、光顕下に狭窄度を両群で比較し、またPCR法やWestern blotting法によって炎症関連因子の mRNAやタンパク発現量を比較検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、血管内皮細胞血流感知システムが頸動脈狭窄症の発症に関係しているのではないかという仮説をもとにして、免疫組織化学的手法や病理学的手法による形態学的な観察やウエスタンブロットなどの分子生物学的な検討を行った。症例は、血管内皮細胞血流感知システム関連タンパクP2X4 KOマウス群とコントロールのC57/BL6群それぞれにおいて、免疫組織化学20例、ウエスタンブロット20例、RT-PCR20例ずつである。代表する炎症因子としては、Cox2、TNFα、Mcp1、IL6、IL18、IL1β、iNosを選択して調べた。また、すべての症例で、左頸動脈にコイル設置による頸動脈狭窄作成手術を行い、手術のありとなしでの比較も行なった。 その結果、頸動脈狭窄症モデルマウスにおいて、P2X4 KOマウス群では、コントロールのC57/BL6群と比較して、炎症因子の発現が抑制される傾向にあった。また、手術無しの右側頸動脈では、手術有りの左側頸動脈と比較して、炎症因子の発現が低かった。 今後は、この結果を踏まえて、モデルラットやマウスを用いて血管内皮細胞血流感知システムP2X4を阻害する薬剤パロキセチンを投与した群と非投与群で同様の実験を行い比較する予定である。 パロキセチンは、現在でも、抗うつ剤として使用されており、新たな薬剤を開発するのと比較して、人での使用の際に障壁となる事項が少なく、現在の内膜剥離術などの治療法と比較して患者への負担も少ないことから、将来的には現在の治療法に代わり、頸動脈狭窄症の主要な治療法となる可能性がある。 この結果は、現在では、内膜剥離術などの外科的治療やバルーン導入などの治療しかなく患者の負担が問題になっている頸動脈狭窄症の薬剤による治療の可能性について一端を開くものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はP2X4 KOマウス群とコントロールのC57/BL6群それぞれにおいて、すべての症例で、左頸動脈に狭窄手術を行い、免疫組織化学20例、ウエスタンブロット20例、RT-PCR20例ずつを代表する炎症因子としてCox2、TNFα、Mcp1、IL6、IL18、IL1β、iNosを選択して手術のありとなしでの比較を行なった。 その結果、P2X4 KOマウス群において、コントロールのC57/BL6群より炎症因子の発現が高い傾向が見られ、P2X4 KOマウス群および、コントロールのC57/BL6群どちらにおいても結索手術を行った左頸動脈で炎症因子の発現が高い傾向にあったが、PCR解析については、有意差を検討する時間的余裕がなく、組織学的検査では、閉塞の有無を確認できていない。さらに、研究計画の今年度の計画部分で予定していたパロキセチンの投与を行う実験まではできておらず、進行は少し遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度の結果を踏まえて、パロキセチンの投与を行う実験に進み、結果の安定性を確かめて、パロキセチンの頸動脈狭窄症に対する予防効果を確認し、内膜剥離術などの治療法と比較して患者への負担も少ない治療法として、将来的に現在の治療法に代わり、頸動脈狭窄症の主要な治療法となるための基礎を築いていく。 この結果は、現在では、内膜剥離術などの外科的治療やバルーン導入などの治療しかなく患者の負担が問題になっている頸動脈狭窄症の薬剤による治療の可能性について一端を開くものと考える。
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