Project/Area Number |
22K09403
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上原 範久 九州大学, 歯学研究院, 助教 (30368211)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | osteocyte / senescence / mechanical stress / osteoblast / osteocytes / SASP / cell-cell communication |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は、力学的刺激に対して老化骨細胞が分泌する液性因子の、骨リモデリングにおける生理的・病理的意義を明らかにすることであり、老化骨細胞メカノトランスダクションの網羅的遺伝子発現解析に基づき特異的分泌因子を同定し、骨代謝細胞間クロストーク機序の解明を行う。本研究成果により、加齢に伴う骨脆弱化予防法および骨老化マーカー創出へ向けた研究基盤の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
骨細胞は、力学的刺激に対する生化学的応答として、液性因子の分泌を介して骨代謝のみならず、様々な組織の機能を調整する。近年、加齢に伴い骨組織内に老化した骨細胞が蓄積することが明らかとなり、それらより分泌される炎症性物質を代表とする老化細胞特異的因子(SASP因子)が、骨粗鬆症等の加齢に伴う骨量減少の要因の一つとして注目されている。しかしながら、老化骨細胞が分泌する特異的SASP因子とそれら分泌因子を介した細胞間相互作用や、機械的ストレスに対するそれらの影響に関して多くの疑問が残されている。 本年度は、マウス骨細胞株MLO-Y4へのドキソルビシン刺激による骨細胞老化誘導モデルを用いて、ロッキングシーソーによるせん断応力(0.4 Pa)に対して、老化骨細胞の機械刺激応答、骨代謝および細胞老化マーカー発現について検討した。その結果、骨細胞への機械的刺激に対して応答することが知られているプロスタグランジンの律速酵素COX-2遺伝子の発現が誘導されるとともに、老化骨細胞ではコントロール細胞と比較して発現上昇をみたSASP因子群(炎症サイトカイン、ケモカインならびにプロテアーゼ)の発現低下がみられた。興味深いことに、骨芽細胞に対して骨形成を抑制するスクレロスチンや骨吸収をおこなう破骨細胞の活性化因子であるRANKLの発現が、機械的刺激に対して顕著に低下することも確認された。これらの結果より、老化骨細胞を標的とした機械的刺激が、加齢に伴う骨量減少を改善する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度までに、ロッキングシーソーを用いた老化MLO-Y4細胞への機械的刺激(0.08 Pa)モデルでは、細胞老化に伴い発現上昇した炎症性サイトカイン・ケモカイン等の発現低下が確認されていた。しかしながら、骨細胞への機械的刺激に対して応答することが知られているプロスタグランジンの律速酵素COX-2遺伝子の発現が誘導されていないことが明らかとなった。そこで、機械的刺激をより生理的条件に近づけるため、1%メチルセルロースを含む高粘度の培地へ変更し、ロッキングシーソーを用いて0.4 Paの機械的刺激を老化骨細胞へ与えた。その結果、COX-2発現の上昇が確認され、コントロール細胞と比較して発現上昇をみた炎症サイトカインや骨形成を抑制するスクレロスチンが機械的刺激に対して顕著に発現低下した。現在、生理的条件下での機械的刺激(0.8-3Pa)を与えるために、より強いせん断応力を発生することができるパラレルプレートチャンバーを用いる実験系を構築し、機械刺激応答、骨代謝および細胞老化マーカー発現について検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、パラレルプレートチャンバーを用いることで、正常および老化骨細胞に対して生理的条件下(0.8-3Pa)における機械的刺激を行い、RNAseq解析およびバイオインフォマティクスによるパスウェイ解析ならびに機能的クラスタリング解析を行い、機械的刺激に対する老化骨細胞の分子動態を明らかにし、あわせて特異的分泌因子の同定を行う。さらに骨細胞老化の機械的刺激に対する感受と応答に関するメカニズムに関して、qPCR、ウェスタンブロットならびにELISA アッセイによりその機能についてその詳細を検討する。
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