Project/Area Number |
22K09409
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
野尻 英俊 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (10317456)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 酸化ストレス / 傍脊柱筋 / 筋力低下 / 女性 / 脊柱後弯症 |
Outline of Research at the Start |
ヒトにおいて後弯症を含む脊椎変性疾患有病者の手術中の多裂筋を採取し、筋内のグリコーゲン代謝酵素活性、酸化ストレスと抗酸化能を測定し、関連性を調査する。また骨格筋量や筋脂肪化との関連、筋電図変化、運動機能、生活障害度との関連を調査する。さらに脊柱矢状面パラメーター異常群及び正常群で差異があるか、年齢や性別、疾患による違いについても検討を行う。傍脊柱筋の酸化ストレスによりグリコーゲン代謝が変化し、細胞内エネルギーが枯渇することにより脊柱起立を保持する筋力が低下することで体幹が前傾となること、つまり脊柱後弯症の根本的な原因が骨格筋内の酸化還元バランスの破綻であることを示したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
傍脊柱筋の酸化ストレスと脊椎アライメント、骨格筋パラメータ、ミトコンドリア機能との関係を調査するために腰椎手術患者から多裂筋をサンプルとして採取し分析した。酸化ストレスや脊柱アライメントに影響を及ぼす疾患を持つ患者は除外した。筋肉内のスーパーオキシド(発光強度)とSOD2(蛋白量)の比をSOD2レドックス指数(SOD2RI)と呼び、酸化ストレスの指標とした。35名(男性22名:平均57.9歳、女性13名:平均70.2歳)の腰椎手術患者から採取し、対象となった。SOD2RIの平均値で2群に分け、脊椎アライメント、骨格筋パラメータ、SDH染色強度(SDHmgv)を2群間で比較した。2群間で有意差を示した変数については、重回帰分析により年齢による交絡を調整した。女性においてSOD2RIが高い群は低い群と比べて、腰椎前弯が大きく(P<0.05)、握力が低く(P<0.01)、SDHmgvが高かった(P<0.01)。また重回帰分析の結果より、女性患者においてSOD2RIは腰椎前弯、握力、SDHmgvの独立した説明変数であった。これらの結果から女性の腰椎変性疾患患者において、傍脊柱筋のSOD2関連酸化ストレスはミトコンドリア機能障害および握力低下と関連していることが判明し、骨格筋のミトコンドリアにおける酸化ストレスの上昇は、筋量低下よりも筋質低下と関連しており、多裂筋の筋力低下に酸化ストレスの関与が示唆された。 以上のことを第38回日本整形外科学会基礎学術集会にて発表した。今後、第97回日本整形外科学会学術総会にて口演予定である。また、本研究をまとめたものが英文誌に掲載された(Takahashi R, Nojiri H, et al. J Orthop Res. 2024)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
査読のある英文誌に受理され、掲載されたこと(Takahashi R, Nojiri H, et al. J Orthop Res. 2024)、学会での発表も複数行っていることから順調に進んでいるものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
採取した血液や尿のサンプルから酸化ストレスマーカーを測定し、既に計測した運動機能評価や脊椎アライメント、バランスとの関連性を検証する予定である。
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