Project/Area Number |
22K09420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
林 克洋 金沢大学, 保健学系, 教授 (80507054)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 脂肪由来幹細胞 / ヨード担持酸化チタン / バイオインプラント / ヨード担持加工 / 感染 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、骨関節疾患の手術に使用するインプラントの感染耐性をあげ、感染の治療にも直接使用でき、かつ再生医療として骨再生能力の高い新規バイオインプラントを開発、臨床応用へとつなげることである。この開発により整形外科手術全般を劇的にかえ得ることになり、術後感染の撲滅、インプラント周囲の骨再生の促進により早期リハビリ、社会復帰など、高齢社会への健康寿命、歩行能力の維持への貢献が大いに期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
インプラントの感染耐性をあげ、感染の治療にも直接使用でき、かつ骨再生能力の高い新規バイオインプラントを開発、臨床応用を目的とした実験を計画した。我々の開発した抗菌作用ヨードを担持したチタンに感染耐性かつ骨再生能力のある幹細胞を付加することで、感染抵抗性バイオインプラントの開発を行うこととした。純チタンと今回使用予定のチタン64合金にヨード担持加工を施し、担持量は十分担保されているのを確認、多孔質構造を持つチタン製トライタニウムでも、多孔面と平面で適切なヨード担持が確認された。これらの金属上で脂肪由来幹細胞(ADSC)の培養と生着の確認を行った。まずインプラントが幹細胞に対して毒性が無いか確認するため、βTCP人工骨、トラベキュラータンタル、ヨード担持酸化チタンとADSCの共培養を行い、Cell Counting Kit-8(450nm)にて細胞数を確認した。いずれの条件でも細胞毒性は認められず、インプラントの使用は問題ないと判断した。 多孔質構造をもつインプラント表面での細胞の接着性をみるため、トラベキュラータンタルと、ヨード担持酸化チタン上でADSCを7日間培養し、クリスタルバイオレッド染色で観察した。いずれも多孔質構造の深部まで細胞が分布しているのが観察できた。 次に、最終的なバイオインプラントは細胞の厚みを要するので、培養細胞から、スフェロイドを重合させた幹細胞塊をインプラント表面に接着させることとした。そのままインプラント表面に細胞塊を配置して培養すると、1日で細胞塊が凝集して均一に覆わなかった。培養条件や細胞塊密度などを変更し模索したところ、細胞塊の上からPETクロスにて圧着させることで凝集を防ぐことに成功した。インプラント側面からも細胞塊が深部まで入り込んでいることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バイオインプラントの幹となる多孔質チタンの選定および、ヨード担持に成功しており、その表面での細胞毒性の無いことが確認された。細胞の培養および、細胞塊で表面加工することも実現し開発は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
抗菌、感染治療効果のある幹細胞とヨード担持チタンハイブリッドのバイオインプラントを作成し、動物実験で安全性と治療効果の証明を行い、臨床応用への橋渡しを計画する。そのため、金属表面での幹細胞の培養、スフェロイド構造体の固着を切片病理観察することで金属深部への固着などの確認を要する。それらの結果をもとに培養プロトコールの確定、細菌接着阻害や感染抵抗性バイオフィルムの確認をし、最終的に動物実験で感染抵抗、治療効果、骨親和性、強度、安全性の確認を行う。 金属内への細胞接着をみるため、ホルマリン固定した後、メタクリル酸メチルで包理し、研磨標本での組織学的評価を行い、細胞の親和性を明らかにする。更に、脂肪由来幹細胞をシプロフロキサシン含有培養液で培養して得られる抗生剤徐放性細胞でも同様にバイオインプラントを作成し、バイオインプラントの作成条件を明らかにする予定である。 その後、バイオインプラントの細菌接着阻害やバイオフィルムの確認、動物実験でバイオインプラントの感染抵抗、骨親和性、初期強度、安全性の確認をすすめていく。並行して幹細胞の再生力や殺菌作用を増強させる培養プロトコールや添加物質なども研究していく。
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