腎細胞癌局所内免疫状態を構築する血液内細菌叢の同定
Project/Area Number |
22K09469
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植村 俊彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60905941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々村 祝夫 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30263263)
河嶋 厚成 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50746568)
神宮司 健太郎 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特任講師(常勤) (80707571)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 腎細胞癌 / 血液内細菌情報 / 腎癌組織内免疫 / 細菌遺伝情報 |
Outline of Research at the Start |
進行性腎癌に対する癌免疫療法の適応は拡大傾向だが、奏効する症例は限定的であり、臨床応用された治療効果予測マーカーは存在しない。われわれは先行研究において、尿路上皮癌患者の血清由来EVs内のFirmicutes門発現が癌局所内免疫状態と有意に相関し、癌免疫療法の治療効果・予後予測因子となることを見出した。本研究では、腎癌患者における血液内細菌遺伝情報の発現状態が宿主に与える影響ならびに臨床的意義について評価し、癌免疫療法の治療効果予測マーカーの開発と臨床応用を目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
腎細胞癌患者のおける血液内細菌遺伝情報の臨床的意義を明らかにした報告はこれまでに存在しない。当研究では、腎細胞癌患者の臨床的意義を、診断・治療効果の両側面から明らかにすることを目的とした。 まず腎細胞癌患者の血液内に健常者と比較して高発現する細菌情報を同定するため、腎癌患者88人と健常者10人の血清細胞外小胞からDNAを抽出し、16S rRNAメタゲノムシークエンスを実施した。その結果、Sphingomonadales (p<0.05), TM7-1 (p<0.05), Bacteroidia (p<0.05 )の3種が、腎癌患者の血清細胞外小胞内で豊富に認められることを見出した特に上記の3種の細菌遺伝情報を組み合わせたBTS indexを作成し、高率な診断能( AUC: 0.88)を有する細菌遺伝情報に基づいた血液診断マーカーを創生した。 次に、前述の腎癌患者88人とペアとなる腎癌組織から腫瘍浸潤リンパ球を抽出し、免疫チェックポイント分子発現に基づいた局所免疫情報と血液内細菌遺伝情報との相関を検討した。その結果、制御性T細胞の特徴を有するCD4陽性T細胞Fr.V(PD-1low Tim-3+ CD4+) (Kawashima et al. Sci Rep 2020)の発現と血液内Bacteroidia DNA量に正の相関を認めた (p< 0.001, r= 0.40)。既報において、糞便中のBacteroidia DNA量は腫瘍局所の制御性T細胞発現と相関することが知られており、我々の結果を支持するものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記載したとおりの結果が得られており、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの研究成果から、血液内細菌情報が腎細胞癌患者の診断マーカーとなりうることならびに腎癌組織内の免疫状態を反映しうることが示唆された。今後、診断マーカーについては、独立した別コホートを用いた検証を行うとともに、進行性腎癌の免疫チェックポイント阻害薬治療患者群を対象に、治療効果予測マーカーとしての有効性を検討する方針である。 また、16S rRNA解析では詳細な細菌種の同定は困難である。細菌種の同定や機能解析にはショットガンメタゲノム解析が必要となるが、PCRを行わないため検出困難なケースがあること、コストが高いことなどが問題としてあげられる。今後、これらの技術的・コスト上の問題を解決できれば、ショットガンメタゲノム解析で細菌種の同定を検討する方針である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)