Project/Area Number |
22K09485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
諏佐 崇生 帝京大学, 医学部, 講師 (20445852)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 前立腺がん / AR / ビタミンD3 / メチル化 / 脱メチル化 / dCas9 / LNCaP / ゲノム編集 |
Outline of Research at the Start |
前立腺癌の治療としてアンドロゲンシグナリングを阻害する複数の分子標的薬が開発され、内分泌療法として前立腺癌の治療に利用されている。しかし、これらの長期使用は癌を内分泌療法抵抗性へと進展させ問題となる。しかしながら、別の作用原理の内分泌療法によって再度その薬理効果が期待できることから、内分泌療法の選択肢が多いことは前立腺癌患者の寿命を伸ばすメリットとなり、新たな前立腺癌の治療戦略の開発が求められている。一方、申請者はこれまでの研究でHOXC9をARの機能を阻害する因子として同定した。本研究によってHOXC9発現を基軸とした新規治療戦略の開発と提唱を行いたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌の治療としてアンドロゲンシグナリングを阻害する複数の分子標的薬が開発され、内分泌療法として前立腺癌の治療に利用されている。しかし、これらの長期使用は癌を内分泌療法抵抗性へと進展させ問題となる。しかしながら、別の作用原理の内分泌療法によって再度その薬理効果が期待できることから、内分泌療法の選択肢が多いことは前立腺癌患者の寿命を伸ばすメリットとなり、新たな前立腺癌の治療戦略の開発が求められている。一方、申請者はこれまでの研究で、転写因子HOXC9をARの機能を阻害する因子として同定した。ヒト前立腺癌細胞において転写調節因子HOXC9は、アンドロゲン受容体(AR)と相互作用してARの標的DNA制御領域への結合を阻害することを見い出しているが、本因子はアンドロゲン刺激時においてARによるゲノムDNAのメチル化を介した発現抑制により、その阻害作用を発揮できないことを見出している。そこで本研究では、①アンドロゲン依存的なDNAメチル化によるHOXC9遺伝子の転写抑制機構を解明すること、及び、②ゲノム編集技術を利用したHOXC9遺伝子の脱メチル化、および発現誘導系が前立腺癌の増殖を抑制するかを検証する。これらの2点を主な研究目的として研究を展開した。本年度は、アンドロゲンにより生じるDNAメチル化領域を網羅的DNAメチル化解析によって調査し、その該当領域をゲノム編集技術を用いて脱メチル化するために必要なgRNAの設計を主に行った。本研究によってHOXC9発現を基軸とした前立腺がんの新規治療戦略の開発と提唱を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網羅的DNAメチル化解析から、HOXC遺伝子座周辺のアンドロゲン依存的なDNAメチル化領域を同定した。その結果から、そのDNAメチル化領域はHOXC遺伝子座の広範囲な領域に点在することが明らかとなった。これらのDNAメチル化領域から、標的遺伝子であるHOXC9遺伝子の上流域、下流域、及びイントロン領域に確認されたアンドロゲン依存的なDNAメチル化部位に着目し、ゲノム編集を応用したDNA領域特異的なDNA脱メチル化を行うために必要なgRNAを設定した。ヒト前立腺がん細胞であるLNCaP細胞にこれらgRNAとDNA脱メチル化に必要な因子の発現ベクターを導入し、それらのDNA脱メチル化の評価を行ったところ、いずれもアンドロゲン依存的なDNAメチル化やHOXC9遺伝子発現の抑制には影響は見られなかった。以上の結果から、HOXC9のアンドロゲン依存的な転写抑制には、HOXC9周辺のDNAメチル化領域だけでなく、より広範囲のDNA領域を介した転写制御機構であることが予想された。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究目的の達成には、HOXC9遺伝子周辺だけでなく、より広範囲なDNA領域に対する脱メチル化の試みが必要であると考えられた。新たなDNA領域に対するgRNAの設計や細胞毒性の低い遺伝子導入法の確立などを行い、HOXC9遺伝子のアンドロゲン依存的な遺伝子発現抑制を規定するDNAメチル化領域を同定していく。
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