Project/Area Number |
22K09487
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
中澤 龍斗 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10465403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 栄次 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10286552)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 尿路感染症 / エクソソーム / 鑑別診断法 / ExoScreen / miRNA / マイクロRNA |
Outline of Research at the Start |
尿路感染症は泌尿器科領域において最も頻度の高い炎症性疾患であるが、特異的な診断指標がない。そこで本研究では、尿路感染に伴って特異的に出現する尿中エクソソームの検出系による新たな診断法の開発を目指す。まずはその表面マーカーを同定し、エクソソームの超高感度迅速測定法であるExoScreen法を用いて、尿路感染の有無や重症度を判定する検出系を確立する。次にその検出系を用いて、尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎等)の鑑別診断における有用性を検証する。さらに、そのexosomeに内包されるマイクロRNAをプロファイリングし、尿路感染の発症と治癒に関連するマイクロRNAを同定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
尿路感染症は泌尿器科領域において最も頻度の高い炎症性疾患である。従来、尿路感染症は身体所見、症状および尿中白血球を確認することで診断されるが、臨床症状は多岐にわたり、尿中白血球は尿路感染症に特異的ではないため、診断に苦慮することが少なくない。そのため、真の尿路感染症を鑑別できる感度と特異度の高い診断法の開発が切望されている。そこで本研究では、尿路感染症の確実で迅速な診断法として、尿路感染に伴って特異的に出現する尿中エクソソーム (UTI exosome)の表面マーカーを指標とする検査法を確立するとともに、感染部位別のUTI exosomeを検出することにより尿路感染症の鑑別診断を試みることを目的として研究を開始した。 今年度の検討では、昨年度miR146a-5pの定量を行った尿検体(UTI患者17例と健常者30例)からエクソソームを抽出し、ExoScreen法による尿中エクソソームの測定を行った。まずは一般的なエクソソームであるCD9陽性exosomeについて検討したところ、尿中CD9陽性エクソソームの発現量はUTI患者で顕著に高値(p<.0001)を示し、健常者との差は約1.6倍であった。同様に、膀胱癌に特異的であるCD55陽性exosomeについて検討したところ、健常者とUTI患者の間に有意差はみられなかった。 CD9は一般的なエクソソームの表面マーカーとして知られていることから、単純なエクソソーム量で健常者とUTI患者は識別できた。しかし、一般的なエクソソーム量は炎症性疾患以外、例えば癌などでも増加することが知られており、UTI患者を識別するにはやはりUTI患者に特異的なエクソソームマーカーを探索しなければならないことが分かった。 これらの検討から、ExoScreen法による尿中エクソソームの測定は尿路感染症の診断に有用な方法となり得ることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度も、病院のカルテシステムの変更などの理由により、外来業務中に新たな尿路感染症患者の検体を採取できなかった 次年度は腎泌尿器外科外来で尿路感染症加療中の患者尿検体を採取することとして、臨床試験の倫理申請を行った。 UTI exosome検出を目指し、ExoScreenによる尿中エクソソーム検出系についての基礎検討など、一定の成果は得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 尿路感染症患者のUTI exosomeの表面マーカーの同定:同定した複数の表面マーカーを組み合わせ、ExoScreen法を用いたUTI exosome検出系を確立する。 2) 尿路感染症患者の尿中エクソソームの解析と鑑別診断の試み:UTI exosomeの定量結果と臨床データ(尿中白血球、尿培養、臨床症状など)を比較し、尿路感染の有無や重症度を判定する方法としての有用性を検証する。さらにUTI exosomeの表面マーカーの違いから、尿路感染の鑑別診断(膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎)を試みる。
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