Project/Area Number |
22K09516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸山 覚 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80507591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 陽一 北海道大学, 大学病院, 教授 (10334236)
大澤 崇宏 北海道大学, 大学病院, 講師 (60374443)
小笠原 克彦 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (90322859)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 膀胱がん / がんサバイバー / HRQOL / 意思決定支援 / 意思決定サポート |
Outline of Research at the Start |
本研究では、泌尿器がん患者の中でも、術前後で生活スタイルや日常生活機能が大きく変化する膀胱全摘除術を受ける患者に着目し、手術前後のHRQOLとIADLを経時的に評価する。特に、術後にHRQOLやIADLが損なわれる患者の因子についての基盤データを作成し、術前から術後にかけての早期介入(リハビリ、公共サービス等)による改善の可能性を探る。更に、これらのPROの結果を積極的に日常臨床に利活用し、術前の意思決定をサポートできる情報提供ツールを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、泌尿器がん患者の中でも、術前後で生活スタイルや日常生活機能が大きく変化する膀胱全摘除術を受ける患者に着目し、手術前後のHRQOLとIADLを経時的に評価する。特に、術後にHRQOLやIADLが損なわれる患者の因子についての基盤データを作成し、術前から術後にかけての早期介入(リハビリ、公共サービス等)による改善の可能性を探る。申請者らは、PROを日常臨床に積極的に組み込むことは、がん患者の診療の質の向上につながると考えている。更に、これらのPROの結果を積極的に日常臨床に利活用し、術前の意思決定をサポートできる情報提供ツールを開発することを目的とする。 これまでの開腹手術、腹腔鏡手術といった術式に加えて、近年保険収載されたロボット支援膀胱全摘術後のHRQOL評価を行った。2024年4月時点で、日本全国から282名の患者さんに本研究の縦断的アンケート調査に参加いただくことができており、今後詳細について解析を始めている。本研究は、妥当性・信頼性の検証された膀胱がん特異的QOL尺度を用いて、国内多施設において縦断的に行う点で、過去に例のない最大級の研究である。また、次世代の包括的健康尺度として複合併存疾患インパクト尺度7-item short-form version of QOL (Quality Of Life) Disease Impact Scale (QDIS-7)および、革新的QOL 尺度generic health QOLIX module (QGEN-10)を同時に調査しており、これらの横断的および縦断的QOL評価すべく解析を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際にこの2年で、282名の患者から縦断的に行われた調査票(QGEN: 患者自身の健康についての考え方についての調査票、QDIS: 併存している別の病気についての調査票、膀胱がん特異QOL調査、Body Image Scale: BIS:患者自身の外見についての調査票、Euro Qol 5 Dimension (EQ-5D)、老研式IADL(Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence Instrumental ADL)を回収することができた。現在は、これらのデータベースを用いて、術後1年時点での術式(開腹手術、鏡視下手術)間および尿路変向術式間でのHRQOL及びIADLについて交絡因子を調整し、術式間での比較解析を行っている。解析途中ではあるが、本研究により、術前から術後にかけて患者にどの程度のHRQOL低下が見られるのかが明らかとなりつつある。つまり、膀胱がん患者の治療選択や治療後のHRQOLに関する基盤データがまさに創出されつつあり、治療前の患者が情報を得る上で大きな恩恵となることが期待される。 ePROは、紙媒体と比較して記入コンプライアンスが良好であり、入力されたデータへのアクセスが容易であるとの報告がある。実際に、この1年で紙媒体以外にもタブレット端末を用いたePRO環境について準備することができた。次に、縦断的に集められたPROデータをもとに、患者が術前に意思決定をする際のサポートアプリを作成中である。このアプリプラットフォームを利用することで、術前の患者が蓄積された基盤情報を活用することができる。このようなプラットフォームの立ち上げとして、膀胱全摘術前の合併症リスクcalculatorのweb版を公開した(https://jprediction.jp/)。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については以下のように準備する。(1)タブレットを利用したPRO入力システム(ePROシステム)の確立:ePRO入力のシステム構築を準備できており、実際の臨床現場での試用を行い、改善点を明らかとする。(2)PROデータの解析、基盤データの作成:術式間でのPROの比較解析のほか、術後に一定以上の機能が損なわれる患者集団の予測因子を解析する。また、HRQOLの経時的変化のデータを利用し、前述のMIDを算出する。(3)術前の意思決定をサポートできるアプリの作成:上述のデータをもとに、治療開始前の患者教育や意思決定サポートのための情報提供を行うことのできるアプリの作成を行う。 (1)-(2)について本研究をさらに進め、膀胱全摘術前から術後にかけての早期介入(リハビリ、公共サービス等)による改善の可能性を探るとともに、PROの結果結果を積極的に日常臨床に利活用し、術前の意思決定をサポートできる情報提供ツールの開発につなげる。
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