妊娠時におけるサイトメガロウイルス再活性化に関与する腸内細菌叢の機序解明
Project/Area Number |
22K09553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
幸田 力 昭和大学, 医学部, 准教授 (10365752)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | サイトメガロウイルス / 再活性化 / 腸内細菌 |
Outline of Research at the Start |
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)は感染すると生涯にわたり潜伏感染する。妊婦においてHCMVは非常に高い割合で再活性化し、先天性CMV感染症を起こすだけでなく低出生体重児における新生児CMV感染症の原因となり問題化している。我々は妊娠に伴うCMV再活性化の動物モデルを作成し、抗生物質投与により腸内細菌叢を変化させたマウスではウイルス再活性化が抑制されること見出した。これまでウイルスの再活性化機序の解析に動物モデルを用いた研究がないことや、腸内細菌叢がウイルス再活性化に関わっているという報告がないことから、本研究では腸内細菌がウイルス再活性化にどのように関わっているのかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)マウスサイトメガロウイルス(MCMV)潜伏感染マウスを用いたMCMV再活性化の機序解明:CMV潜伏感染マウスが妊娠するとほぼ100%の確率でウイルスの再活性化が起こることを見出した。この実験系において抗生物質を投与し腸内細菌叢の生菌数を減少させた(除菌)群、生菌数に変化はないが微生物構成を変化させた(dysbiosis)群、抗生物質を投与しない(対照)群の3群を設け、CMV再活性化の検討を行ったところ、dysbiosis群、抗生物質を投与しない対照群ではいずれもMCMVの再活性化が認められたものの除菌群ではMCMVの再活性化は認められなかった。またこの時の腸内細菌叢を16s rRNA配列データに基づいて解析しているが、再活性化に関与する微生物群を推定するには至っていない。 (2)MCMV再活性化における揮発性短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)の関与:CMV再活性化因子として微生物代謝産物が考えられることから、揮発性短鎖脂肪酸の関与を検討した。in vitroの系を用いて、MCMV潜伏感染細胞を酢酸、プロピオン酸、酪酸で刺激したところ、酪酸刺激においてCMV再活性化が観察された。そこでマウス実験モデルを用いて、MCMVの再活性化機序の検討を行った。その結果、高線維飼料を与えて腸内酪酸濃度が有意に高くなったマウスにおいてウイルス遺伝子発現の増強が認められた。しかし、妊娠を伴わないマウスではMCMVの再活性化は認められず、酪酸はウイルス再活性化のトリガーではないと示唆された。 (3)MCMV再活性化におけるエストロゲンの関与:MCMV潜伏感染マウスにエストロゲンを投与し、MCMVの再活性化機序の検討を行った。エストロゲンを投与したマウスでは妊娠を伴わないマウスにおいてもMCMVの再活性化が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではMCMV再活性化の機序解明を目的とし、腸内細菌の関与を検討している。MCMV再活性化に関与する微生物群を推定するには至っていないものの、腸内細菌を除菌するとウイルスの再活性化が起こらないことから、MCMVの再活性化に腸内細菌が関与することが明らかとなった。よって今後、除菌群、dysbiosis群、対照群の腸内細菌叢を比較することにより、MCMV再活性化に関与する微生物群を推定することは可能であり、その微生物群が発現するタンパクなどを解析することによりCMV再活性化因子を検索・同定は可能であると考えている。微生物代謝産物である揮発性短鎖脂肪酸がCMV再活性化のトリガーとは示されなかったものの、ウイルス遺伝子発現に関与していることが観察された。さらにはMCMV再活性化にエストロゲンが関与していることも明らかとなった。これらの関与もさらに詳細に解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従って(1)、(2)の実験を行う。さらに常在細菌叢がNF-κB, CREB, AP-1などの発現に関与していることが示唆されたことから、新たに(3)の実験系を加える。 (1)CMV再活性化がどの時期(妊娠初期、中期、後期、出産後)に起こるのかをリアルタイムPCR法によって調べる。 (2)除菌群、dysbiosis群、対照群の腸内細菌叢を16s rRNA配列データで解析し、比較することによってMCMV再活性化に関与する微生物群を推定する。その微生物群が発現するタンパクや酪酸・エストロゲンの関与をCMV潜伏感染細胞を用いて調べる(CMV潜伏THP-1細胞に感染させ、CMV再活性化の有無を観察する)。 (3)NF-κB, CREB, AP-1などの転写因子の妊娠、出産時の動態をリアルタイムPCR法によって調べる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)