Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
ヒトパピローマウイルス (HPV) は子宮頸癌やその前癌病変 (子宮頸部上皮内腫瘍, CIN) の原因ウイルスである。現行のHPVワクチンは人工ウイルス粒子を抗原としており、中和抗体を誘導することによってHPV感染をブロックする。HPV接種プログラムが導入されてすでに10年が経過しワクチンの有効性が報告されているが、その裏付けとなる血清疫学的な検討は行われていない。本研究ではワクチン接種歴のある健常人女性・CIN/子宮頸癌患者を対象に接種年齢・接種回数・初交年齢・病変から検出されるHPV型のデータを全て収集し血清中の抗HPV抗体を測定することで、発症予防抗体価とその持続期間を推定する。
ヒトパピローマウイルス (HPV) ワクチン接種プログラムが導入されてすでに10年が経過し、我が国でもHPVワクチンの有効性が報告されているが、その裏付けとなる血清疫学的な検討は全く行われていない。本研究ではワクチン接種歴のある子宮頸がんおよびその前がん病変 (子宮頸部上皮内腫瘍, CIN) の患者や健常人女性を対象に、ワクチン接種年齢・接種回数・初交年齢・子宮頸部病変から検出されるHPV型のデータを収集するとともに血清中の抗VLP抗体を測定することで、疾患の発症予防に有効な血清抗体価 (発症予防抗体価) とその持続期間を推定することを本研究の目的としている。HPVワクチン接種歴のある日本人女性62名の抗体価を測定した。HPV16/18/52/58型に対する血清抗体価を各型のL1ウイルス粒子 (virus-like particle, VLP) を抗原とするELISA法で測定した。WHOから提供された標準血清(10 U/mL)を使用し、国際共同研究で決められた4.0 U/mLを陽性/陰性のカットオフ値とした。CIN患者と健常人のあいだで抗体価に差は見られなかった。ワクチン接種者では自然感染では見られない格段に高いレベルの血清抗体価が維持されていた。HPV16型とHPV18型の抗体価の間には強い相関が認められ、2価ワクチンでは4価/9価ワクチンと比較して抗体価が高かった。接種年齢18歳以下では19歳以上と比較して抗体価が高かった。また、接種回数が多いほど抗体価は高く、接種回数が増えるごとに抗体価が約2倍上昇することがわかった。接種プログラム導入当初に10代前半で2価ワクチンを3回接種した集団においては接種後9年以上を経過しても抗体価の低下は見られなかった。現在、HPVワクチン接種はそのほとんどが9価ワクチンで行われているが、抗体価が上がりにくい9価ワクチン接種者において抗体価が維持されるか、今後ブースター接種が必要かどうかを検討する意義は大きい。新たに30検体の抗体測定データを追加して解析中である。
3: Progress in research has been slightly delayed.
現在62サンプルの抗体測定が終えているが、統計的な検定を行うには症例数がまだ十分ではないため。
令和7年度中にさらに血清検体を集める。症例数を増やして解析を行い、解析結果を論文発表する予定である。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 4 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Journal of Medical Virology
Volume: 96 Issue: 12
10.1002/jmv.70096
Japanese Journal of Clinical Oncology
Volume: 53 Issue: 6 Pages: 530-533
10.1093/jjco/hyad017
Viruses
Volume: 15 Issue: 10 Pages: 2104-2104
10.3390/v15102104
Cancer Science
Volume: 114 Issue: 11 Pages: 4426-4432
10.1111/cas.15943