風疹ウイルスレセプターの同定と体内伝播メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K09586
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
森 嘉生 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 室長 (40379095)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 風疹ウイルス / 膜融合 / 侵入 / スフィンゴミエリン / SMS1 / エントリー / レセプター / 経胎盤感染 / 先天性風疹症候群 |
Outline of Research at the Start |
様々なヒト由来培養細胞から体内伝播を説明できるような風疹ウイルスレセプターの同定を行うことを第一目標とする。さらに同定された分子についての風疹ウイルスレセプターとしての機能、体内分布の解析、風疹ウイルス側のレセプター結合責任因子の解析により、風疹ウイルスの体内伝播モデルの提唱を行うことを最終目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
風疹ウイルスの細胞侵入に関与する宿主因子を同定するため、ヒト胎盤絨毛癌細胞を用い、CRISPR/Cas9によるゲノムワイド遺伝子ノックアウトスクリーニングを実施した。その結果、SMS1が候補として同定された。SMS1はスフィンゴミエリン合成酵素であり、本ノックアウトにより細胞中のスフィンゴミエリン量が大幅に低下する。ヒト胎盤絨毛癌細胞JAR細胞ではSMSファミリーのうち、SMS1のみが発現している。本細胞ではSMS1のノックアウトにより風疹ウイルスの細胞侵入は検出されなくなるが、SMS1もしくはSMS2の過剰発現により侵入が回復した。HeLa細胞ではSMS1およびSMS2の両方が発現しているが、両方のノックアウトによって完全に風疹ウイルスの侵入が阻止された。このことはSMSファミリーは風疹ウイルス感染に冗長的に働いていることを示唆している。風疹ウイルス粒子のエンベロープを自己消光濃度の蛍光脂質でラベリングし、膜融合時のlipid mixingを検討したところ、SMS1ノックアウト細胞でもコントロール細胞と同様にlipid mixing自体は生じていた。しかし、その後のヌクレオキャプシドの放出過程を、ゲノムRNAのin situ hybridizationならびにE1タンパク質の蛍光抗体染色を用いて検討したところ、SMS1ノックアウト細胞では、ヌクレオキャプシドの細胞質への放出が認められなかった。このことは風疹ウイルスの完全な膜融合とヌクレオキャプシドの細胞質内への放出に宿主のスフィンゴミエリンが必須であることを示唆するものであった。スフィンゴミエリンによって風疹ウイルスの侵入が 厳密に制御されていることから、SMSファミリーは風疹および先天性風疹症候群の治療の有用なターゲットになりうるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
風疹ウイルスの細胞侵入を厳密に制御する因子の同定を行い、論文発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は風疹ウイルスの体内トロピズムを説明できる受容体因子等の解析を行う予定である。ゲノムワイドのCRISPR/Cas9によるノックアウトスクリーニングでは同定ができなかった。その原因としては、1)風疹ウイルスが複数の宿主因子を受容体として利用できるため、単一遺伝子のノックアウトでは侵入を阻止できない。2)受容体のノックアウトが細胞に致死的もしくは増殖抑制的に働くことなどが考えられる。現在、これらの問題点を克服できるような方法を開発し、スクリーニングを実施している。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)