Project/Area Number |
22K09603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
森定 徹 杏林大学, 医学部, 准教授 (70317923)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 卵巣癌 / メトホルミン / 卵巣明細胞癌 |
Outline of Research at the Start |
経口糖尿病治療薬であるメトホルミン(Metformin: MET)は近年、癌に対する増殖抑制効果や化学療法感受性の増加効果が報告されている。しかし、卵巣癌の中でも化学療法抵抗性かつ予後不良とされる卵巣明細胞癌に対するMETの影響についての知見は乏しい。本研究ではMETの卵巣明細胞癌に対する抗腫瘍効果の分子メカニ ズムについて、教室の所有する多数の卵巣明細胞癌細胞株、培養実験、遺伝子解析実験の資材とノウハウを生かして探求し、卵巣明細胞癌に対してヒトでの安全性と体内動態が既に確認されているMETを用いた新たな治療法の知見を見出すことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
経口糖尿病治療薬であるメトホルミン(Metformin: MET)は、近年、臨床の場での観察研究や無作為化比較試験において、癌に対する増殖抑制効果や化学療法感受性の増加効果が報告されている。しかし、卵巣癌において他の組織型に比して化学療法抵抗性かつ予後不良とされる卵巣明細胞癌に対するMETの影響についての知見は乏しい。申請者はMETの卵巣明細胞癌に対する抗腫瘍効果の分子メカニズムについて、卵巣明細胞癌細胞株、培養実験、遺伝子解析実験の資材とノウハウを生かして解析することを目的とした。 in vitroの実験として、卵巣明細胞癌細胞株(OVISE, RMG-1)を用いて、METによる細胞増殖能/生存率の効果を検討したところ、METの濃度依存的にcell viabilityが抑制されることが判明した。RMG-1細胞における抗癌剤シスプラチン投与下でのMETの細胞増殖能/生存率に対する効果をWST-1assayで評価したところ、METの濃度依存的にcell viabilityが抑制されていた。同様にパクリタキセル投与下でのMETの細胞増殖能/生存率に対する効果を評価したがMETの投与の有無による差は見られなかった。こちらは、両抗癌剤の作用機序の違いがMETの作用の有無に影響していると考えられた。RMG-1細胞におけるMETの細胞周期に与える影響をAPC-Cy7染色でのフローサイトメトリーで評価したところ、MET投与群はコントロール群に比べ有意にG2/M期の割合が高かった。さらにMETによる細胞内分子伝達機構についてイムノブロットを用いて確認したところ、MET投与群はコントロール群に対して有意にAMPKのリン酸化が促進され、またmTORのリン酸化を抑制していた。以上よりMETはAMPK/mTORのシグナルを介して細胞増殖抑制を起こしている可能性があると考え、研究を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卵巣明細胞癌株(RMG-1)を用いて抗癌剤とMET投与による細胞内分子シグナルの解析の実験まで行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の実験で細胞内シグナル伝達物質についてのウェスタンブロットなどの実験も実施できたため、2024年度は、そこまでの結果の論文発表に向けて原稿の作成、投稿、査読結果に応じた再実験などを含め、さらに研究を進めてゆく。
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