Project/Area Number |
22K09631
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
|
Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
田中 尚武 千葉県がんセンター(研究所), 婦人科, 診療部長 (80236611)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸 喜明 千葉県がんセンター(研究所), がん予防センター 精密腫瘍モデル研究室, 研究員 (30742754)
筆宝 義隆 千葉県がんセンター(研究所), 研究所, 研究所長 (30359632)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 卵巣がん / 患者由来がんモデル / 3次元培養 / オルガノイド / 腫瘍不均一性 / 薬剤感受性 / 腫瘍浸潤リンパ球 |
Outline of Research at the Start |
卵巣上皮性がんは主に4つの組織型に分類されるが、標準治療としては組織型に関わらず一律同一のレジメンが施行されており、有効性に限界があるのが現状である。そのため、卵巣がんの治療抵抗性機構の解明や治療効果予測バイオマーカー開発は喫緊の課題となっている。申請者らは婦人科がんのオルガノイド(OR)研究における豊富な経験と実績を有している。そこで本研究では、卵巣がんの同一腫瘍内から複数の患者由来OR(PDO)を樹立し多面的解析を行うことで、治療抵抗性に関わる分子機構解明と治療効果予測バイマーカーを同定する。さらに、PDOと免疫細胞との共培養にも着手し、腫瘍免疫を再現した評価系の確立も併せて行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに様々な婦人科がんから患者由来オルガノイド(PDO)の樹立とそれを用いた橋渡し研究を進めてきた。本研究では同一患者から複数のPDOを樹立し、卵巣がんの多様性と治療抵抗性との関連を明らかにすることを目的とする。また、PDOと免疫細胞との共培養系の確立を目指す。本年度は卵巣上皮性がん9例(明細胞癌6例、高異型度漿液性癌1例、類内膜癌2例)の臨床検体からオルガノイド培養を行い、明細胞癌3例からPDO 7株を樹立した。そのうち2例については同一症例から複数のPDOを樹立した。例年に比べて安定的に培養可能なオルガノイドの樹立成功率が低い傾向にあったが、他の婦人科がんでは明らかな樹立成功率の低下は確認されなかったため、現時点では原因は不明である。今後も卵巣がん臨床検体からのPDOの樹立成功率の低い状態が続くようであれば、培養方法について再検討が必要と考えられた。現在、これまでに樹立したPDOの症例間および同一症例内での多様性について形態学的特徴、遺伝子異常、薬剤感受性など多方面から評価中である。例として、進行期に関係なく同じ組織型であっても明らかに抗がん剤に対する感受性の異なる症例の存在を確認している。腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の培養については2例で成功し、そのうち1例はPDOの樹立にも成功した明細胞癌症例である。卵巣明細胞癌は化学療法抵抗性であることが多く、近年免疫療法が注目されている。PDOとTILの共培養による免疫応答の評価は完了していないが、TILが腫瘍細胞に反応することが確認されれば、貴重な実験系となることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卵巣がんの多様性と治療抵抗性との関連を明らかにすべく、同一症例から複数の患者由来オルガノイド(PDO)の樹立を試み、明細胞癌2例で複数のPDOの樹立に成功した。このうちの1例では腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の培養にも成功しており、PDOとTILとの共培養が可能な症例が得られた。樹立したPDOの症例間や同一症例の複数PDO間で抗がん剤に対する感受性が異なることが確認された。
|
Strategy for Future Research Activity |
樹立した卵巣がんの患者由来オルガノイド(PDO)の病理組織学的解析、遺伝子異常の検索、薬剤感受性試験などを実施し、症例間や同一腫瘍内でのPDOの多様性について評価するとともに治療抵抗性のPDOを選抜する。また、PDOと腫瘍浸潤リンパ球(TIL)をペアで樹立した症例については共培養を行い、TILが腫瘍細胞に反応しているかを確認する。引き続き新規の卵巣がんの臨床検体から1症例あたり複数のPDO樹立およびTILの培養を積極的に推進し、樹立できた場合は同様の実験に供する。
|