Project/Area Number |
22K09647
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢野倉 恵 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (20433732)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 子宮体癌 / メチル化 / 着床阻害 / リプログラミング / iPS |
Outline of Research at the Start |
これまでの臨床学的見知から、子宮体癌担癌状態では着床が成立しないことが知られているが、そのメカニズムは未だ不明である。また近年、子宮体癌患者の増加や妊娠・出産年齢の高齢化に伴い、妊孕性温存療法を求める声が高まっている。そこで、子宮体癌細胞における着床阻害メカニズムを解明し、新たな妊孕性温存療法への応用を目指す。 1.RC細胞(Reprogrammed-Cancer Cells)におけるin vitro着床能解析 2.RC細胞および親株細胞のDNAメチル化データ解析 3.子宮体癌細胞における候補遺伝子の発現解析および発現制御 4.RC細胞放出microRNAの子宮体癌細胞に対する着床阻害抑制効果の検討
|
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】これまでの臨床的知見から、子宮体癌担癌状態では着床が成立しないことが知られている。また、近年リプログラミングにより癌細胞の悪性形質改善が報告され、リプログラミング時のエピゲノム変化を同定することで、癌細胞に特徴的な形質獲得機序の解明が試みられている。そこで、ヒト子宮体癌由来培養細胞株よりリプログラミング細胞を作製し、DNAのメチル化、遺伝子発現の変化および着床能変化を解析することで子宮体癌における着床阻止メカニズムの探索を目的とした。 【方法】山中4因子を用いて2種のヒト子宮体癌由来細胞株よりリプログラミング細胞(Reprogrammed-Cancer cells、RC細胞)を作製した。DNAのメチル化をビーズアレイを用いて解析し、親株とRC細胞間で有意にメチル化率に差が見られたCpGサイトについてパスウェイ解析を行った。また、ヒト絨毛癌細胞スフェロイドを胚に見立てたin vitro着床試験を行い、親株とRC細胞間での着床能変化や着床関連遺伝子発現を解析した。 【成績】作製されたRC細胞では未分化マーカの発現上昇、アルカリフォスファターゼ染色陽性およびテラトーマ形成能が確認された。さらに、in vitro着床試験の結果、RC細胞は親株に比し有意に着床能の亢進が認められた(P<0.05)。 アレイ解析の結果、2種の細胞株に共通して親株とRC細胞間で4.2% (31,511/747,192) のCpGに有意なメチル化率の変化が認められた(FDR<0.05、|β値|>0.25)。パスウェイ解析では、カルシウムシグナルパスウェイが抽出された。同パスウェイには着床関連因子であるCOX-2、HOXA10、CREBが含まれていることが明らかとなった。 【結論】 RC細胞の解析により、子宮体癌細胞で生じている複数の着床関連遺伝子の異常が着床抑制の一部に寄与している可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子組換え実験や動物実験の申請も済ませていたため、遅滞なく研究を行うことができた。また、アレイデータの解析もスムーズに行うことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
メチル化データのパスウェイ解析により得られた候補遺伝子の発現をリアルタイムPCRにて解析し、DNAメチル化による発現消失を確認する。 正常子宮内膜腺上皮細胞では、着床期に着床関連遺伝子の発現上昇によりPGE2生成が起こること、また細胞の初期化では大規模なDNAメチル化の消去が起こることから、候補遺伝子はRC細胞で低メチル化・高発現、親株細胞で高メチル化・低発現であることが予測される。そこで、RC細胞に対し候補遺伝子発現抑制実験を行う。 候補遺伝子siRNAをRC細胞にトランスフェクションし、遺伝子発現抑制効果をRT-PCRおよびウェスタンブロットにて確認する。さらにIn vitro着床実験を行い、候補遺伝子発現抑制時の着床能変化を解析する。候補遺伝子は複数同定されているため、siRNAを1種ずつトランスフェクションするだけでなく、いくつかのsiRNAを同時にトランスフェクションし、着床能変化に与える影響も解析する。
|