Project/Area Number |
22K09652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
池田 真利子 日本医科大学, 医学部, 助教 (10740988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 靖幸 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50644580)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 子宮内膜症 / 卵巣子宮内膜症性嚢胞 / 無菌性炎症 / パターン認識受容体 / アラーミン / HMGB1 |
Outline of Research at the Start |
我々は無菌性炎症およびアラーミンが子宮内膜症発症に深く関与しているのではないかと仮説を立て、High-mobility group box 1 (HMGB1)が卵巣子宮内膜症発症に深く関与する可能性を示して来た。本申請研究ではこの研究成果をさらに押し進め、広い範囲でのアラーミン検索や免疫細胞の動態を検討する。これらにより無菌性炎症に基づいた子宮内膜症の新たな疾患概念を提唱し、さらに自然免疫の制御という新規治療戦略構築を目指していく
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Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜症は月経困難症、不妊症、性交痛など様々な症状により女性のQOLを著しく低下させる。その発症には何らかの骨盤内炎症が関与しているものの、殆どの場合病原体感染は関与しない。近年、明らかな病原体感染を伴わない炎症、すなわち「無菌性炎症」という概念が様々な分野で注目されている。この無菌性炎症は「アラーミン」と称される分子群に惹起されることが知られており、我々研究グループでは無菌性炎症およびアラーミンが子宮内膜症発症に深く関与しているのではないかと仮説を立て、代表的なアラーミンの一つであるHigh-mobility group box 1 (HMGB1)が卵巣内膜症性嚢胞発症に深く関与する可能性をこれまで示して来た。本研究では子宮内膜症、とくに卵巣子宮内膜症の手術症例で得られた検体を用いて、さまざまなアラーミン検索および免疫細胞の動態を解析している。 具体的には、卵巣子宮内膜症性嚢胞の手術で得られた腹水中の免疫細胞の分布、活性化・脱顆粒マーカー、共刺激因子発現、パターン認識受容体検索および炎症性サイトカイン、アラーミンの解析を行なっており、これらが卵巣子宮内膜症性嚢胞の増悪因子(腫瘍径、r-ASRMスコア、CA125値)と相関を有するのかを解析している。現在、卵巣子宮内膜症性嚢胞の増悪因子は、アラーミンではなくそれを認識する受容体の発現に逆相関する結果が得られており、今後無菌性炎症に基づいた子宮内膜症の新たな疾患概念を提唱し、さらに自然免疫の制御という新規治療戦略構築を目指していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
卵巣子宮内膜症性嚢胞の手術症例において、腹水中に存在する免疫細胞、サイトカイン、アラーミンの検索を行なっている。現在約30症例が集まっている。当初、卵巣子宮内膜症性嚢胞の増悪因子(腫瘍径、r-ASRMスコア、CA125値)とアラーミンが相関するのではないかとの仮説を立てて研究を開始したが、予想に反してこれら増悪因子とアラーミン(HMGBa、IL-33、IL-1α、S100蛋白を検索)の濃度は全く相関がなかった。しかしながらこれらアラーミンを認識するマクロファージ上のパターン認識受容体(TLR4、RAGE)や共刺激因子であるCD86の発現が増悪因子に従って逆比例することが見出された。以上より、子宮内膜症の増悪には、アラーミンではなくそれを認識する受容体の減少が関与しており、子宮内膜のdebrisを排除できない免疫不応状態が構築されているのではないかと推察している。 以上より、当初の計画よりもかなり進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、さらに症例数を増やして上記所見を検討する。また術前治療として、全ての症例でdienogestの投与が行われており、ex vivoにおける腹水免疫細胞におけるdienogestの影響も解析中である。今後上記結果について、学会報告、論文執筆を行い、子宮内膜症増悪因子の新しいメカニズムとして国内外に提唱していきたい。
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