Project/Area Number |
22K09657
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Osaka International Cancer Institute |
Principal Investigator |
松崎 慎哉 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 婦人科副部長 (00467565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 豊 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10346215)
平松 宏祐 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (10650591)
中川 慧 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30650593)
角田 守 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (30923031)
小林 栄仁 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50614773)
三好 愛 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50880712)
木村 敏啓 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90584524)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 子宮癌肉腫 / 中和抗体 / 抗体薬物複合体 / iTRAQ |
Outline of Research at the Start |
本研究では網羅的プロテオミクス解析法であるiTRAQ法を用い、子宮癌肉腫細胞株に特異的に発現する膜蛋白質を正常子宮平滑筋細胞および正常子宮内膜細胞とで比較検討することで同定する予定である。同定した標的膜蛋白質の発現が臨床検体においても上昇していることを免疫組織化学染色を行い、確認する。発現が増強していた膜蛋白質に対して、子宮癌肉腫細胞株に対しRNAiを用い、発現を抑制することで、増殖・浸潤・転移・上皮間葉転換がどの様に変化するかを検討する。全身の正常組織での発現が強くないことを確認し、同蛋白質に対する中和抗体やADCを作成し、in vitroおよびin vivoにおいてその効果を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
①子宮癌肉腫の新規標的蛋白質の同定 我々は3種類の子宮癌肉腫(UCS)細胞株とコントロール細胞株である子宮内膜正常細胞(EM-E6/E7/TER細胞)の膜蛋白質を抽出し、iTRAQ法を用いた網羅的膜蛋白質解析を行う予定としていた。しかし、UCS細胞株はいずれも細胞増殖のスピードが非常に遅く、膜蛋白質の網羅的膜蛋白質解析を行うための十分量の蛋白量が回収できないと判断した。そのため、予定していたUCS 3株とコントロール株の膜蛋白質を網羅的に比較検討する実験系は困難と考えられた。UCSは上皮性腫瘍および子宮肉腫の性格を有する腫瘍である。特に子宮肉腫成分の治療に難渋することが多いと考えられ、子宮肉腫の治療標的も並行して探索し、そこでえられた結果をUCSへと応用することとした。 ②子宮平滑筋肉腫における薬剤耐性因子の探索 我々は卵巣癌や子宮内膜癌のプラチナ製剤への耐性に関連する因子としてAnnexin A4 (Anx A4)を同定している。子宮平滑筋肉腫(uLMS)の細胞株であるSK-LMS、SK-UT1、SKNにおいてWestern Blotting 法を用いてAnx A4の発現を解析したところSK-LMS、SKNにおいてAnx A4の発現を認めた。また、uLMSの臨床検体20例において Anx A4の解析を行ったところ12例(66.7%)で発現を認めていた。 ③ Anx A4の発現の子宮平滑筋肉腫における役割の検討 Anx A4を発現するSK-LMS細胞株において、siRNAを用いてAnx A4の発現を抑制したところ、シスプラチンの50%阻害濃度が 16.2μMから5.4μMと低下し有意にプラチナ感受性が改善した(P<0.05)。これらの結果より、uLMSにおいて発現するAnx A4が、プラチナ耐性獲得のメカニズムにおいて重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画は、UCSの網羅的膜蛋白質解析が実施困難であったため遅れている。しかし、uLMSの解析を行い、uLMSの治療標的因子にAnx A4がなりえることを同定しえた。uLMSにおいてAnx A4が治療標的になりえるかをさらに解析しつつ、UCSにおいても治療標的になりえるかを継続的に解析する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
uLMSにおいてAnx A4がプラチナ耐性に関わるメカニズムの解析 (1) SK-LMS細胞株に対してAnx A4 shRNAを遺伝子導入し、恒常的に発現を抑制した細胞株 (SK-LMS-A4株)の作成。(2) Anx A4の発現を抑制する核酸医薬品の開発。(3) Anx A4の発現を抑制する核酸医薬品をuLMS細胞株に使用し発現が抑制されることを確認。(4)核酸医薬品とプラチナ製剤を併用し、uLMS細胞株のプラチナ感受性の改善の確認。 SK-LMS細胞株とSK-LMS-A4株を用い、Xenograftモデルを作成する予定である。これらのモデルにおけるシスプラチンの感受性試験を行う予定である。Anx A4がuLMSの治療標的になりうると判断すれば、Anx A4の発現の抑制を可能とする方法を探索する予定である。具体的な方法の1つとしては核酸医薬品の開発を試みる予定である。
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