Project/Area Number |
22K09665
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹内 万彦 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50206942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千代延 和貴 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (10737018)
長尾 みづほ 独立行政法人国立病院機構三重病院(臨床研究部), 臨床研究部, 臨床研究部長 (20650493)
田辺 正樹 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (50456737)
上田 航毅 三重大学, 医学系研究科, 助教 (60899194)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 線毛 / 遺伝学的検査 / ゲノム / 電子顕微鏡 |
Outline of Research at the Start |
線毛機能不全症候群は慢性副鼻腔炎、気管支拡張症、不妊を呈し、主に常染色体劣性遺伝をする難治性の疾患で、内臓逆位を伴わない症例では診断は困難である。本症の診断に鼻腔一酸化窒素産生量測定・電子顕微鏡検査・遺伝学的検査を用いてきたが、これらの方法を用いてもどうしても確定診断に至らない症例に遭遇してきた。線毛の動きそのものを観察する高速度ビデオ撮影、線毛に関連したタンパクの免疫組織学的検査、線毛のmRNA配列の決定は専門性が高く施行は難しいとされるが、これを従来の方法に加えることにより診断率が向上すると考えた。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は多様な技術を駆使して線毛機能不全症候群の正診率を向上させることであった。そのために従来の方法に加えて、次の3つの新しい手法を取り入れるのが当初の目的だった。①高速度ビデオ撮影による線毛運動を観察する方法で23例について鼻粘膜採取後ただちに観察を行った。年間5例から10例との当初の予定を超えることができた。擦過後ただちに線毛の運動性が判断できるので、本法は線毛機能不全症候群のスクリーニングとしての意味があると考えた。②同様に鼻粘膜の擦過片を用いた線毛に関連したタンパクの免疫組織学的検査を23例について施行し、擦過片を用いて本検査が補助的診断として有用であることが確認できた。年間5例から10例の症例で行うのが目標だったので達成できた。③線毛のmRNA配列の決定は(RNA-seq)についてはまだ手掛けていないが、それを必要とする症例がなかったためである。 さらにこれまで用いてきた次の3手法についてもこれまでのレベルを保ちながら新たな修正と試みを行うのが目標であった。①鼻腔一酸化窒素測定については、三重病院にある測定装置の修理が完了し、1例測定したが、鼻腔一酸化窒素が正常値でも本症候群が否定できないことがわかり、検査の意義がややすくなくなった。②電子顕微鏡検査による線毛の構造解析については本年度24症例について施行し、うち6例で明らかな構造異常が認められた。年間10例行う予定だったので、予定を大幅に上回った。③遺伝学的検査については、患者の両親も含めて37例について32遺伝子のパネル検査を行った。これで原因遺伝子が明らかにならなかった10例については全エクソーム解析を行った。今年度、パネルは年間16例 、全エクソーム解析は年間8例の予定であったので、どちらも上回る症例について解析できた。これらを合わせて、9家系で原因遺伝子を同定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進行しているとしたのは、用いる6つの手法のうち、4つまでは目標数に達したか上回っていたが、鼻腔一酸化窒素濃度測定とRNA-seqについては目標数に達していなかったからである。 ①高速度ビデオ撮影による線毛運動の観察は、年間5例から10例の症例で行う予定だったが、23例について施行できた。②線毛に関連したタンパクの免疫組織学的検査を年間5例から10例の症例で行うのが目標だったが23例について施行できた。③線毛のmRNA配列の決定(RNA-seq)については適応になる症例がなく、本年度まだ手掛けていない。④鼻腔一酸化窒素測定については、三重病院にある測定装置EcoMedics社製ANALYZER CLD 88が修理でき、1例施行した。⑤電子顕微鏡検査による線毛の構造解析については、年間10例行う予定だったが本年度24症例について施行でき予定を大幅に上回った。⑥遺伝学的検査については、今年度、パネルは年間16例 、全エクソーム解析は年間8例の予定であったが患者の両親も含めて37例について32遺伝子のパネル検査を行った。また、これで原因遺伝子が明らかにならなかった10例については全エクソーム解析を行い、どちらも予定を上回る症例について解析できた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の方針としては大きな変更はない。 ①高速度ビデオ撮影による線毛運動の観察と②線毛に関連したタンパクの免疫組織学的検査は引き続き継続する。③線毛のmRNA配列の決定については現在その必要性が高くないので、どうしても必要な症例が出てきた場合に施行する。④鼻腔一酸化窒素測定については、測定装置EcoMedics社製ANALYZER CLD 88の修理が終了したので継続して行う。⑤電子顕微鏡検査による線毛の構造解析と⑥遺伝学的検査については、順調に進んでいるので、これまで通り施行し、症例数を増やす。 ただ、2024年4月から線毛機能不全症候群が指定難病となり、6月からは遺伝学的検査が保険収載される予定である。このため、紹介される症例が減少することが予想される。
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