Project/Area Number |
22K09671
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Saga University (2023) Kyoto Prefectural University of Medicine (2022) |
Principal Investigator |
杉山 庸一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (50629566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅崎 俊郎 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 教授 (80223600)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 嚥下 / 喉頭 / 電気生理 / 嚥下中枢 / 神経生理 / 嚥下障害 |
Outline of Research at the Start |
本研究では嚥下制御メカニズムの中心である嚥下中枢の機能に基づいて、様々な嚥下障害に対する治療法の統合効果について検証するために、頸部干渉波電気刺激+高電圧パルス電流による嚥下改善効果および薬剤投与による嚥下中枢促通効果を動物実験により検証する
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Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会における嚥下障害への治療戦略は大きなパラダイムシフトに迫られている。脳梗塞、神経変性疾患、サルコペニア嚥下障害の増加など様々な病態、診療形態に対応するためには、画一的かつオンデマンドといういわば相反する嚥下障害治療スキームを開発する必要がある。本研究では嚥下制御メカニズムの中心である延髄に存在する嚥下セントラルパターンジェネレーター(CPG)の機能に基づいて、薬剤投与による嚥下CPG促通効果、頸部干渉波電気刺激+高電圧パルス電流の相互作用による嚥下改善効果、嚥下障害モデル動物を用いた頸部干渉波電気刺激+高電圧パルス電流による嚥下改善効果の検討を行うことを目的とする。 灌流動物モデルを用いた実験系では経口投与に加えて電気刺激誘発嚥下など様々なアプローチで嚥下機能を評価できるのに加え、脳幹の機能解析も可能となる。薬剤投与における嚥下CPT機能改善効果について、カプサイシンおよびTRPV1受容体作動薬の効果を検証した。その結果、カプサイシンおよび他のTRPV1受容体作動薬を至適濃度および長時間暴露することにより、経時的に嚥下惹起性が変化し、嚥下CPGへの入力が変調することにより、嚥下惹起性が持続的に改善することが示された。また、干渉波電流刺激を用いた頸部への感覚刺激の喉頭感覚変調効果を検討し、頸部への干渉波電流刺激が喉頭感覚フィードバックにより脳幹の活動に影響を及ぼすことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
嚥下制御メカニズムの中心である嚥下中枢の機能に基づいて、様々な嚥下障害に対する治療法の統合効果について検証するために、頸部干渉波電気刺激+高電圧パルス電流による嚥下改善効果および薬剤投与による嚥下中枢促通効果を動物実験により検証するために現在も研究を継続中である。これまでの進捗状況としては、灌流動物モデルを用い、カプサイシン等のTRPV1受容体作動薬を投与し、投与中の嚥下惹起性について様々な濃度で経時的に検討した。その結果、至適濃度であれば、長時間嚥下惹起性改善効果が維持されることが分かり、新規TRPV1受容体作動薬の開発およびその効果の検証も行った。一方、頸部への電気刺激の効果が嚥下中枢の機能にどのように反映されているかを検証した。干渉波電流刺激による喉頭感覚フィードバック機構を治療に応用するために、電気刺激による脳幹ニューロン活動への影響をしらべた。その結果、干渉波電流刺激による喉頭感覚刺激では呼吸抑制は生じず、一方では強制発声等の脳幹ニューロンによる喉頭運動時には喉頭感覚フィードバックによって出力の変調が生じることが解明された。新規薬剤については嚥下惹起性改善効果およびその持続性、至適濃度などが解明され、従来のカプサイシンなどのTRPV1受容体作動薬との優位性も示唆される結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの研究結果および進捗状況をもとに、薬剤による嚥下促通効果の詳細なメカニズムの検討を継続して行う。新規TRPV1受容体作動薬についても、より詳細に嚥下CPGへの影響、適切な薬物動態と嚥下惹起性の関与、間欠的あるいは持続的投与による影響なども検討する。覚醒動物モデルも用いて、より臨床応用に基づいた研究を継続する。その結果、適切な薬剤投与のアルゴリズム構築を目指す基礎データ取得を試みる。また、干渉波電流刺激の嚥下CPG促通効果の詳細なメカニズム解明を進めるのと同時に高電圧パルス刺激による効果も継続して検証する。干渉波電気刺激に加え、経口薬剤投与のより適切な投与および刺激条件を検討、その結果にもとづいて薬剤投与および電気刺激療法における嚥下動態の変化について嚥下造影検査等により評価する。 嚥下障害モデル動物の作成には成功しているため、その動物を用いて経口薬剤投与における嚥下惹起性改善効果の即時効果について検証を行う。 これらの研究により電気刺激療法、化学刺激療法の最適化のための基盤となるデータを得ることが出来れば、更に詳細な嚥下CPGニューロン活動解析あるいは嚥下障害モデル動物を用いた嚥下改善効果の検証が可能となる。
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