Project/Area Number |
22K09675
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
村山 正和 昭和大学, 医学部, 助教 (40927802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 清 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30346564)
倉増 敦朗 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (90302091)
細沼 雅弘 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 講師 (20836457)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 短鎖脂肪酸 / 腸内細菌 / 腫瘍微小環境 / 癌免疫療法 / イソ酪酸 / 頭頸部癌 |
Outline of Research at the Start |
近年、頭頚部癌の治療に免疫チェックポイント阻害薬が登場したが、有効性の改善が課題である。腫瘍微小環境へのアプローチとして腸内細菌やその代謝物である短鎖脂肪酸が注目されるがまだ不明な点が多く、我々は短鎖脂肪酸であるイソ酪酸に注目した。 in vitro及びマウスを用いたin vivoにおいてイソ酪酸の癌・免疫細胞に及ぼす作用および腫瘍微小環境における抗腫瘍効果への影響を明らかにする。本研究は、癌免疫療法の創薬や新たなバイオマーカーの発見につながる可能性があり、免疫チェックポイント阻害薬治療の有効性の改善が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
目的: 免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)は奏功率の低さが課題であり、その効果は腫瘍微小環境に影響される。特に腸内細菌とその代謝産物である短鎖脂肪酸(SCFA)は癌免疫の重要な制御因子であるが、個々のSCFAの効果はまだ不明な点が多い。 我々はイソ酪酸に注目し, 癌・免疫細胞に対する作用および腫瘍微小環境における抗腫瘍効果への影響を明らかにすることを目指す。 進捗状況: 研究1年目は、ヒト癌細胞および T細胞の細胞濃度に差をつけて共培養することで、腫瘍微小環境における癌免疫相互作用を解明していくために 適正と考えられる濃度の共培養の系を確立した。この共培養に7種類のSCFAを様々な濃度で投与した結果、イソ酪酸が癌細胞の増殖を選択的に抑制し、最も抗腫瘍効果が高いと考えられた。イソ酪酸が共培養下におけるT細胞の表現型に及ぼす影響をフローサイトメトリーで解析し、イソ酪酸が共培養環境において腫瘍への直接の抗腫瘍効果だけでなく、T細胞を活性化することが考えられた。 研究2年目は、イソ酪酸のT細胞への影響をさらに明らかにするため、ヒト及びマウスT細胞の単独培養にイソ酪酸を投与し、T細胞の遺伝子発現をqPCRで解析した。共培養系でのフローサイトメトリーの結果とほぼ一致しており、イソ酪酸のT細胞に対する直接的な活性化作用が強調された。さらにイソ酪酸はT細胞におけるPD-1の発現を上昇させることが分かり、抗PD-1抗体との相乗的な抗腫瘍効果を示すと仮定した。そこでBALB/Cを用いた皮下腫瘍モデルのマウスにイソ酪酸100mMを経口投与し抗PD-1抗体と併用することで腫瘍増殖を抑制することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
癌細胞および T細胞の適切な共培養の系を確立するのに時間を要したが、in vitroにおけるイソ酪酸の癌細胞やT細胞への効果を確認することができ、in vivoでの実験にも概ね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらにin vitro および in vivoにおいて試行回数を重ねて検証し、抗腫瘍効果発揮時の腫瘍組織や免疫細胞の解析を免疫染色やフローサイトメトリー、qPCRを用いて行っていく。
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