Project/Area Number |
22K09752
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
五島 史行 東海大学, 医学部, 准教授 (80286567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 栄一郎 東海大学, 医学部, 教授 (00255457)
室伏 利久 帝京大学, 医学部, 教授 (30242176)
北原 糺 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30343255)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 加齢性前庭障害 / 前庭器 / 老化細胞 / 老化ミクログリア / エクソソーム / オートファージー / 培養細胞 / フレイル / バイオマーカー / 予防薬 |
Outline of Research at the Start |
フレイルを進行させる高齢者に対する前庭リハビリテーションは、海馬の機能である短期記憶と空間認識能を改善させることより、末梢前庭の細胞老化シグナルによるボトムアップシグナルと老化ミクログリアの細胞障害型活性化シグナルによるトップダウンシグナルの両方が、嗅内野-海馬の空間認識能・短期記憶を低下させ、慢性めまいを誘発し、臨床的なフレイルの状態を作り出すと仮説を立てた。嗅内野-海馬の機能低下を促す末梢前庭の細胞老化と脳内炎症を反映する老化ミクログリア細胞が分泌するexo-miRNAは、フレイル発症のトリガー、即ちバイオマーカーとなり、そのinhibitorの探索はフレイル予防薬の開発につながる。
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Outline of Annual Research Achievements |
卵形嚢上皮培養細胞UB/UE-1細胞を小胞体ストレス誘導剤(ツニカマイシン)低濃度処理して、細胞老化を誘導した条件にて、小胞体ストレスマーカーであるCHOPの発現と細胞老化誘導の鍵になるオートファジーのモニタリングマーカーLC3-Ⅱの発現、さらにはアポトーシス誘導との関連を検討する目的にてcleaved PARPの発現について検討した。Western blot法によってツニカマイシン低濃度処理12時間後にCHOPは発現増加を認め、24時間後にcleaved PARPの発現増加を認めたが、48時間後には発現低下した。また、オートファゴソーム局在蛋白質であるLC3-Ⅱも同様に処理後24時間をピークに発現増加し、その後低下した。オートファジー分解能を確認するため、ツニカマイシン低濃度処理細胞のオートファジー フラックスを検討した。BafA1とクロロキンにて処理した際のLC3-Ⅱは、24時間時点では発現増加した。これは、24時点ではオートファジー分解能があることを示唆している。 次に、ツニカマイシン低濃度処理UB/UE-1細胞での小胞体ストレス誘導性エクソソーム分泌を確認するために、ツニカマイシン処理細胞の培養上清からExoQuick-TCによるエクソソームの単離を行い、電子顕微鏡による形態観察、ウエスタンブロット解析によるエクソソーム特異的表面マーカーの確認、ナノサイト計測による粒子径および粒子濃度の解析を行った。電子顕微鏡では細胞外小胞抽出液内に二重膜構造を持つ100-200nm程の小胞を認めた。またナノサイト解析では粒子径の平均値は251±11.7nm、最頻値は155±3.8nmであった。さらにウエスタンブロット解析ではCD-9およびCD-81の発現が確認した。これらの結果は抽出された細胞外小胞の内部にエクソソームが含まれていることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
卵形嚢上皮培養細胞UB/UE-1細胞は、温度感受性細胞であり、癌細胞や線維芽細胞とは異なり、やや培養の安定管理が難しく、生存率や増殖率の安定に時間を要し、研究結果が安定するまで時間を要したことが最大要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
ツニカマイシン低濃度処理卵形嚢上皮細胞UB/UE-1とコントロール細胞の培養液から分離抽出したエクソソームを、理研ジェネシスの受託サービスによるmiRNAの発現解析を行い、前庭器細胞老化に重要な役割を果たすmiRNAのプロファイリングを行う。さらに、処理細胞の培養液をELISA法によって細胞老化分泌形質(SASP)の発現解析を行う。また、ラット前庭神経節初代培養細胞を、小胞体ストレス低濃度処理前庭上皮細胞老化由来エクソソームで処理し、老化の評価を SA-β-gal の発現から、細胞興奮の低下を p-ERK の発現低下より評価する。また、処理細胞培養液から分離抽出したエクソソーム表面マーカーの発現確認、miRNA のプロファイリング、オートファジー分解能評価、前庭神経細胞老化特異的miRNAの発現を検討することによって、前庭上皮老化から前庭神経への老化シグナル伝達を検討する。さらに、加齢に伴う脳内慢性炎症を想定し、脳微小血管内皮培養細胞(CD-1024, funakoshi, Japan)を低濃度小胞体ストレスと小胞体ストレス低濃度処理前庭上皮細胞老化由来エクソソームで処理し処理し、VCAM-1 の発現誘導から細胞老化誘導条件を決定し、培養液ELISA の炎症性サイトカインの発現検討を行う予定にしている。
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