房水造影法と光干渉断層血管造影を用いた緑内障眼の房水主流出路機能評価法の確立
Project/Area Number |
22K09808
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤木 忠道 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30580112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福地 健郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90240770)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 房水流出主経路 / OCTA / hemoglobin video imaging / 緑内障 / 房水流出路 / OCT angiography |
Outline of Research at the Start |
手術中に房水主流出路を直接可視化する房水造影法を確立し、同一症例の術前後の光干渉断層血管造影(OCTA)画像と比較し、OCTA画像から房水主流出路機能を評価する方法を確立する。簡便で非侵襲的な検査であるOCTAによって房水流出機能が評価でき緑内障治療効果予測に活用できれば、最適な点眼薬や術式の選択の点で多くの緑内障患者にとって恩恵は大きいと考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、房水主流出路を介して眼圧を下降させる点眼薬や手術が普及しているが、その治療効果は個人差が大きく事前に効果を予測することは困難である。研究代表者は光干渉断層血管造影(optical coherence tomography angiography: OCTA)によって描出される前眼部の深部血流信号強度が主流出路に作用する点眼薬や手術の治療効果と有意な相関があることを見出した。本研究では、手術中に房水主流出路を直接可視化する房水造影法の確立、OCTA画像から房水主流出路機能を評価する方法の確立を目標とする。 細隙灯顕微鏡にグリーンフィルターを介して強結膜血流を可視化してデジタル動画撮影するhemoglobin video imaging(HVI)法による房水流出路評価システムの構築を行い、正常被検者を対象にHVIとOCTAの違いの検証を行った。眼疾患のない健常ボランティアを対象とし、PLEX Elite9000(ZESS) を用いて耳側・鼻側の強結膜のOCTAを撮影し、同部位を細隙灯顕微鏡の最大倍率で動画撮影しHVI画像を取得した。OCTA血流画像のほうがHVIよりも深部の血流評価に優れていることが示唆される結果であった。今後、緑内障手術前後でのHVI画像およびOCTA画像それぞれの変化と手術効果との関係を明らかにしていく予定である。また、房水流出機能と血流との関係という観点から、濾過手術後の濾過胞血流の経時的変化と眼圧下降効果についてもデータ取得を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、術中の造影剤前房内注入による房水流出路可視化のシステム構築を進めた。当初より予定していた近赤外蛍光撮影用カメラ(MKD-800IR, 池上通信機)は眼科用手術顕微鏡へ取付可能であるが、励起光の光源が入手困難であるという問題に直面した。代替案として、細隙灯顕微鏡にグリーンフィルターを介して強結膜血流を可視化してデジタル動画撮影するhemoglobin video imaging(HVI)法による房水流出路評価システムの構築を行った。HVIとOCTAによる強結膜血管の可視化の違いは不明であるため、まずは正常被検者を対象にHVIとOCTAの違いの検証を行った。眼疾患のない健常ボランティアを対象とし、PLEX Elite9000(ZESS) を用いて耳側・鼻側の強結膜のOCTAを撮影し、同部位を細隙灯顕微鏡の最大倍率で動画撮影しHVI画像を取得した。OCTA血流画像は結膜表面~200㎛を表層血流、201~1000㎛を深層血流とし、血管の分岐から分岐を1つの血管として扱い、HVIで同一血管が観察可能かどうかを判定した。結果として計62本の血管の判定を行い、OCTA表層血流の24/26(92%)、深層血流の17/33(52%)はHVIで同定可能であり、HVIは深層血流よりも表層血流を有意に同定しやすかった(p<0.001)。表層と深層のどちらでも描出されていた血流は全てHVIで同定可能であった(3/3)。HVIで同定されるがOCTAでは同定されない血管も稀に存在していた。深層血流の可視化にはOCTAがHVIよりも優れていることが明らかとなり、第34回日本緑内障学会で報告予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた術中の房水流出路可視化システムの構築が、光源の問題で大幅に遅れている。代替案として、細隙灯顕微鏡にグリーンフィルターを介したデジタル動画撮影により強結膜血流を可視化するhemoglobin video imaging(HVI)法による房水流出路評価システムの確立に成功し、既に確立されているOCTAシステムとともに、引き続き研究を遂行していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)