Project/Area Number |
22K09826
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
|
Research Institution | Kobe City Eye Hospital (2023) Institute of Physical and Chemical Research (2022) |
Principal Investigator |
万代 道子 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立神戸アイセンター病院(診療部、研究センター), 研究センター, 研究センター長 (80263086)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 網膜変性 / 水平細胞 / 網膜オルガノイドシート移植 / 多電極アレイ / 電子顕微鏡 / 視細胞シナプス / 網膜オルガノイド / 再生医療 / 移植 / 網膜再生 / ES/iPS細胞 / 網膜組織移植 |
Outline of Research at the Start |
我々はこれまでES/iPS細胞由来網膜組織を用いて、視細胞の変性疾患に対する移植治療の有効性を検証してきた。これまでにより良い視機能再建を目指して移植組織側の改良を行なってきたが、本研究では移植細胞を受け入る側が、より機能的に移植細胞を受け入れる環境を用意するための手がかりとして、視細胞の神経接合に重要な水平細胞の関与について検討する。変性網膜に残存している水平細胞や移植組織中の水平細胞が移植網膜の機能的な生着に寄与するかどうかを組織学的に観察し、移植後の光に対する反応を解析することで、より移植に適した環境、及び環境による視機能再建の可能性について探求する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
Correlative light and electron microscopy(CLEM)技術を用いた電子顕微鏡を用いてのシナプス観察については現在論文作成中である。水平細胞欠失網膜変性マウスへの網膜オルガノイドシート移植後検証については、シナプス計数のプロトコルをさらに最適化し、従来の網膜変性マウスおよび水平細胞欠失網膜変性マウスそれぞれの移植後において、ホスト-グラフト間の視細胞シナプス数を比較したところ、移植組織とつながるホスト双極細胞数、ホスト双極細胞あたりのホスト-グラフト間のシナプス数、共に有意な差をみとめなかった。また、電顕観察より先行する水平細胞貫入が確認されたことから、免疫学的染色とあわせて、水平細胞欠失網膜変性マウスにおいては移植組織側の水平細胞がホスト-グラフト間視細胞シナプス形成に寄与していることが示唆された。一方で、網膜変性マウス(rd1)においては視細胞の消失後、水平細胞も徐々に失われていくことを確認、このことは、水平細胞が減少するような末期網膜変性においても、水平細胞を持つ網膜組織移植においてはシナプス形成が可能であることが示唆された。 さらに、ホスト網膜変性マウスの水平細胞の有無がどのように機能に影響を与えるか調べるために、多電極アレイの刺激装置を改良し、より詳細に光強度の変化、異なる背景光上の光強度変化、フリッカー刺激、背景光上でのchirp刺激などを行い、まずは水平細胞が存在する網膜変性マウスでの移植後網膜の機能を評価した。末期網膜変性への移植部位において、移植前さらに早期でもみられなかったような薄明光に対する光応答が得られることがわかり、また正常網膜ほどではないが移植部位では~5Hz程度のフリッカー刺激光に追従する神経節細胞の反応が確認でき、移植後網膜がある程度の時間解像度をもって刺激光に反応することを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電子顕微鏡観察については専門家の助言もうけて、その解釈が深まり、論文作成段階まで到達した。また水平細胞の先行貫入についても確認できた。多電極アレイについてもさまざまな光刺激が可能となり、より詳細な網膜オルガノイド移植後の機能解析が可能となり、今後どのような条件がどのような効果に結びつくか、といった本質的な研究も可能となる基盤ができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き解析を行うことにより、水平細胞の有無がどのように移植後シナプス形成に影響が与えるかを検証し、またよりよい移植後機能を得るための手がかりとする。ホスト水平細胞有無によるシナプス形成の電顕像での比較も予定しており、どのように移植後のシナプスが形成されるかを観察し、ホストの変性段階や環境が移植後シナプスにどう関与するかを考察する。また、より詳細な網膜機能解析が可能となったことから、具体的にどのようなシナプス形成がどのような機能に反映されるかも検証をすすめていく
|