バリア効果と抗炎症効果による脂肪由来幹細胞シートの神経周囲癒着予防効果の研究
Project/Area Number |
22K09878
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56070:Plastic and reconstructive surgery-related
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 勇太 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90910555)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 神経の癒着 / 脂肪由来幹細胞 / 神経再生促進効果 / 癒着予防効果 / 神経保護効果 |
Outline of Research at the Start |
神経の癒着とは外傷や手術操作などが原因となり神経がその周辺組織と結合した状態であり、知覚障害や運動障害を生じるため生活の質を低下させ、健康寿命を短縮させてしまう。神経の癒着は治療に難渋することが多いため、その発生を予防することが肝要であるが、予防する手法は未だ確立していない。我々は抗炎症効果や血管新生効果、神経の再生を促進する効果など多様な効果を有する脂肪由来幹細胞が、神経の癒着を軽減するだけでなく、癒着により生じた神経の損傷に対しても有効に作用する可能性があると考えた。本研究の目的は脂肪由来幹細胞の神経癒着予防効果と神経保護効果を評価し、その機序を解明することである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ラットの左坐骨神経を展開後にまず神経床をバイポーラで焼灼した。そして、焼灼した神経床に神経をナイロン糸で固定することで癒着モデルを作製した。モデルの作製6週後には神経の癒着が完成するため、神経の癒着に対して神経剥離術を施行し、瘢痕から神経を全周性に剥がした。神経剥離術後に生食を投与する対照群と脂肪由来幹細胞(ADSC)を投与するADSC群を作製した。ADSCの作製に関してはZukらの方法でラットの鼠径部の脂肪組織を酵素処理と分離培養することで作製した。前年度では神経の癒着に対してADSCを投与することで、神経機能を回復する神経再生促進効果と神経の癒着を軽減する癒着予防効果が得られたことを確認した。本年度では神経の癒着においてADSCが神経内外に与える効果を評価するために分子生物学的評価と病理学的評価を行った。 その結果、神経内では対照群よりもADSC群において炎症性マクロファージが有意に減少し、抗炎症性マクロファージが有意に増加していた。また、神経内の抗炎症サイトカインが有意に増加していた。神経周囲の瘢痕内では対照群よりもADSC群においてマクロファージが有意に少なくなったことでコラーゲン線維が有意に減少し、新生血管が有意に増加していた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度、神経の癒着に対してADSCを投与することで神経再生促進効果と癒着予防効果があることが判明した。本年度ではADSCが持つ主な効果に焦点を当てて、ADSCが神経内外に与えた効果に関する検討を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでADSCの主な効果に着目して検討を行ってきたが、ADSCには他にもたくさんの効果がある。そのため、今後は網羅的遺伝子発現解析などを用いて神経の癒着に対するADSCの作用機序をさらに解明していく。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)