Project/Area Number |
22K09933
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
大塚 裕忠 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (30634844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 直子 昭和大学, 歯学部, 教授 (20307052)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 唾液腺 / 加齢性炎症 / ヒスタミン / リンパ球浸潤 / Klotho / シェーグレン症候群 |
Outline of Research at the Start |
老化研究において、細胞老化に関する因子の発見やメカニズム解明が進められている一方で、生体の老化や加齢による組織機能障害メカニズムについては、不明な点も多い。申請者はこれまで、ヒスタミン合成酵素であるHistidine decarboxylase(HDC)欠損マウスの加齢個体において、野生型マウスと異なるいくつかの形態変化を確認してきた。 本研究では、野生型とHDC欠損マウスの加齢個体で差異の認められた唾液腺内リンパ球浸潤の病態解明の形態解析を進めることで、老化による組織機能障害におけるヒスタミンの機能解明を目指す。本研究の成果は、老化研究への新たな突破口を切り開く可能性を有している。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまで、ヒスタミン合成酵素であるHistidine decarboxylase(HDC)欠損マウスの加齢個体において、野生型マウスと比較形態解析を進めることで、個体発生や成熟個体の正常組織において、異なる表現型を確認してきた。加齢性変化は、成熟後の個体発生の継続ともいえる段階であるが、老化現象は、個体差が大きい。これまで老化研究において、細胞老化に関する因子の発見やメカニズム解明が進められている一方で、生体の老化や加齢による組織機能障害メカニズムについては、不明な点も多い。 本研究では、野生型とHDC欠損マウスの加齢個体で差異の認められた唾液腺内リンパ球浸潤の病態解明の形態解析を進めることで、老化による組織機能障害におけるヒスタミンの機能解明を目指す。 申請者らは、これまでに、浸潤細胞の同定や野生型マウスにおいて、TNFαやIL1βなどの炎症性サイトカインが加齢に伴い増加し、抗炎症因子であるPPARγの減少を確認した。さらに、若成体のすべての唾液腺で発現が確認されていた抗老化因子Klothoが野生型の顎下腺で消失することを確認した。 一方で、HDC欠損マウスにおいては、細胞浸潤が抑制されるだけでなく、野生型マウスで見られたような、加齢に伴う炎症性サイトカインの増加やPPARγの減少はおこらず、Klothoの発現が維持された。これらの結果については、学術集会や専門学術誌で報告を行っている。これまでの研究成果は、老化研究への新たな突破口を切り開く可能性を有している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、加齢個体の形態解析は、計画どおり進んでおり、唾液腺内に浸潤した細胞のの同定は完了している。また、炎症に関連するサイトカイン類の解析や抗炎症因子であるPPARγの発現変化についても、野生型とHDC欠損マウスで有意な変化を確認できている。また、野生型マウスにおけるHDC発現の変化についても確認できている。以上の結果から、計画は概ね予定通りに進行していると考える。 一方で、ヒスタミン発現細胞のやヒスタミン受容体の局在については、解析が不十分な状況にあり、最終年度における課題といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の進め方としては、ヒスタミンを発現している細胞およびヒスタミン受容体を発現している細胞の局在解析を進めつつ、老化関連因子の解析を進める。ヒスタミンやヒスタミン受容体については、免疫組織化学に使用可能な抗体を現在手配中であり、それらを用いた免疫組織化学を中心に研究を進めていく。また、老化関連因子として、すでに抗老化因子であるKlothoについては、RT-PCR及び免疫組織化学での解析が完了し、ある程度の結果が得られているため、今後は、老化関連のp21などについても解析を進める予定である。
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