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メンブレンベジクルを利用した多機能性ワクチンプラットフォームの開発

Research Project

Project/Area Number 22K09950
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

瀧澤 智美 (橋爪智美)  日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50419785)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 泉福 英信  日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20250186)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
KeywordsStaphylococcus aureus / membrane vesicle / 経鼻ワクチン / 粘膜ワクチン / Staphyrococcus aureus / membrane vesicles / 粘膜アジュバント / 水酸アパタイト
Outline of Research at the Start

気道粘膜を介して進入してくる病原体(SARS-CoV-2など)に対する効果的な粘膜ワクチンの開発を目指し、本研究では、新規経鼻ワクチンプラットフォームの開発研究を行う。
モデル抗原として呼吸器感染症(誤嚥性肺炎)の起因となるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が産生分泌するメンブレンベジクルを用い、アジュバント候補として、卵殻カルシウムから合成された水酸アパタイトを用い、マウスに経鼻接種し、誘導される抗原特異的免疫応答について解析する。

Outline of Annual Research Achievements

前年度までに精製分離した黄色ブドウ球菌が産生するメンブレンベジクル(membrane vesicle; MV)の評価を行ない、粘膜アジュバントであるPoly(I:C)あるいはハイドロキシアパタイトと共にマウスに経鼻免疫し、MV特異的抗体応答が誘導されるか検討した。
MVを電気泳動したところ、黄色ブドウ球菌由来MVには多数のタンパク質が含まれていた。アルファー毒素に特異的な抗体を用いてwestern blotting解析したところ、アルファー毒素が含まれていることが分かった。しかし、使用した抗体の特異性が低く、アルファー毒素以外のタンパク質も多数検出された。タンパク質の定量を行い濃度を決定した。このMVを抗原として免疫実験に用いた。初回および3週間後および5週間後に経鼻免疫した。追加免疫の前日および最終免疫から2週間後に唾液と血液サンプル、解剖時に鼻腔洗浄液を採取し、サンプル中に誘導されたMV特異的抗体応答についてELISA法で解析した。その結果、MV単独免疫群で免疫回数が増えるのにしたがい、血清中の抗原特異的IgG抗体レベルおよび唾液中の抗原特異的分泌型IgA抗体レベルが増加した。一方、黄色ブドウ球菌由来MVをpoly(I:C)と共投与した場合、抗原特異的抗体の誘導がほとんど起こらなかった。免疫回数が増えるのにしたがい抗体レベルは増加したが、非常に低レベルであった。アジュバントとしてハイドロキシアパタイトを用いた場合は免疫回数が増加しても抗体応答が誘導されなかった。鼻腔洗浄液中に誘導された抗原特異的分泌型IgA抗体も、MV単独投与群でのみ誘導された。従って、黄色ブドウ球菌由来のMVはそれ自体免疫原生を有し、経鼻免疫すると全身免疫および粘膜免疫を誘導することが分かった。しかし、黄色ブドウ球菌由来MVをアジュバント剤と共投与するとMVの免疫原性が阻害されることが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

前年度までに完了できなかった、電気泳動法による精製した黄色ブドウ球菌由来メンブレンベジクルの含有タンパク質の解析は遂行できたが、当初の計画である電子顕微鏡によるメンブレンベジクルの観察を完了することができなかった。当学部にある電子顕微鏡(走査電子顕微鏡)を用いて、メンブレンベジクルを観察したところ、ベジクル同士凝集して観察され、粒子の形状もはっきり観察することができなかった。倍率の調整もうまくできなかった。メンブレンベジクルの電子顕微鏡用のサンプル調整について技術を習得する必要が生まれた。
精製したメンブレンベジクルとアジュバント剤(polyI:C、ハイドロキシアパタイト)のマウスへの経鼻免疫実験では、免疫マウスの血液中、唾液中に誘導された抗体応答についてのELISA解析は行ったが、T細胞応答についての解析(免疫マウスから脾臓、頚部リンパ節を分離し、CD4陽性T細胞を分離し、in vitroにおいて抗原で再刺激し産生されるサイトカインの種類についての解析)にはいたらなかった。また、黄色ブドウ球菌由来メンブレンベジクルは単独で抗原性を発揮することが分かったが、最適な接種量についての検討ができなかった。血清中、唾液中に誘導された特異抗体の防御効果(黄色ブドウ球菌によるバイオフィルム形成の阻害、メンブレンベジクル接種マウスにおける黄色ブドウ球菌の定着阻害など)について検討することができなかった。

Strategy for Future Research Activity

今後は、電子顕微鏡によるメンブレンベジクルの観察方法について試料の固定方法についての技術を習得し、本研究で精製したメンブレンベジクルの電子顕微鏡による粒子の形状や直径の確認を行う。本研究で、黄色ブドウ球菌由来のメンブレンベジクルは単独投与で十分な抗原性を発揮することが分かった。従って、メンブレンベジクルの投与量を変えてマウスに経鼻免疫し、誘導される抗原特異的抗体価について解析し、最適な投与量について検討する。同時に、経鼻免疫マウスの脾臓や頚部リンパ節で誘導されるT細胞応答について脾臓、頚部リンパ節、鼻咽頭関連リンパ組織、鼻腔リンパ球を回収し、in vitorで抗原で再刺激し、産生されるサイトカインについてELISA法で検討していく。
また、経鼻免疫マウスの血中に誘導されたIgG抗体を精製し、黄色ブドウ球菌によるバイオフィルム形成の阻害効果について検討する。さらに、経鼻免疫し、抗体応答が十分に誘導されたマウスに黄色ブドウ球菌を接種し、菌体の定着阻害効果について検討する。
また、本経鼻ワクチンの為害性について検討する。経鼻免疫したマウスの鼻腔組織、脳、嗅神経を採取し、各組織における炎症関連因子の遺伝子発現についてトータルRNAを精製し、リアルタイムPCR法で解析する。各組織での炎症誘発状況について解析し、生体への為害性について明らかにする。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023 2022

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)

  • [Presentation] Nasal immunization with Streptococcus mutans membrane vesicles and nano-size hydroxyapatite induced mucosal IgA Ab responses2024

    • Author(s)
      Tomomi Hashizume-Takizawa, Chihiro Mochizuki, Yuki Sakai, Koichi Nakamura, Hidenobu Senpuku
    • Organizer
      第52回日本免疫学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] Eggshell-derived hydroxyapatite enhance mucosal immunity to <i>Streptococcus mutans</i> vesicles2022

    • Author(s)
      Tomomi Hashizume-Takizawa, Chihiro Mochizuki, Yuki Sakai, Koichi Nakamura, Hidenobu Senpuku
    • Organizer
      2022 IADR/APR General Session & Exhibition
    • Related Report
      2022 Research-status Report
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Effect of eggshell-derived hydroxyapatites on enhancement of mucosal immunity2022

    • Author(s)
      Tomomi Hashizume-Takizawa, Chihiro Mochizuki, Masanori Saito, Noriko Shinozaki-Kuwahara, Ruoki Kobayashi, Hidenobu Senpuku
    • Organizer
      第64回歯科基礎医学会学術大会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Patent(Industrial Property Rights)] 粘膜アジュバント、及び粘膜アジュバントの製造方法2023

    • Inventor(s)
      瀧澤(橋爪)智美, 泉福英信, 望月千尋, 中村弘一, 酒井有紀
    • Industrial Property Rights Holder
      瀧澤(橋爪)智美, 泉福英信, 望月千尋, 中村弘一, 酒井有紀
    • Industrial Property Rights Type
      特許
    • Industrial Property Number
      2023-131750
    • Filing Date
      2023
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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