Project/Area Number |
22K09953
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
矢野 貴人 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (40239827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 健二 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (00466038)
石井 誠志 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10247851)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | バイオフィルム / ストレプトコッカス |
Outline of Research at the Start |
ストレプトコッカス属細菌による難治性感染症の治療には、バイオフィルム形成を阻害するとともに、一旦形成されたバイオフィルムを不安定化・破壊するという二方面からのアプローチが必要である。申請者らはバイオフィルム形成開始シグナルの産生酵素であるComAの解析を行い、その知見をもとに、バイオフィルム形成を阻害する低分子化合物を得ている。本研究では、バイオフィルムの安定化に寄与していると考えられているDNA結合タンパク質HUの機能・構造解析を行い、バイオフィルムの不安定化・破壊を促す方策を見いだすとともに、バイオフィルム形成阻害剤との相乗効果についても解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ストレプトコッカス属細菌は口腔内の常在菌であるが、血中に侵入すると人工弁・弁膜症患者において感染性心内膜炎を引き起こす。これはバイオフィルムにおける慢性・難治性感染症の典型例であり、抗生物質による治療は不可能で外科的な弁置換術が必要となる。ストレプトコッカス属細菌による難治性感染症の治療には、バイオフィルム形成を阻害するとともに、一旦形成されたバイオフィルムを不安定化・破壊するという二方面からのアプローチが必要である。申請者らはバイオフィルム形成開始シグナルの産生酵素であるComAの解析を行い、その知見をもとに、バイオフィルム形成を阻害する低分子化合物を得ている。 本研究では、バイオフィルムの安定化に寄与していると考えられているDNA結合タンパク質HUの機能・構造解析を行い、バイオフィルムの不安定化・破壊を促す方策を見出すとともに、バイオフィルム形成阻害剤との相乗効果についても解析する。 これまでのHUタンパク質の機能・構造解析の結果、HUとDNAの結合にはHUの塩基性アミノ酸残基とDNAのリン酸基との間に形成されるイオン結合が重要であることが示唆された。そこでDNAと同様に負電荷をもつグリコサミノグリカンもHUのリガンドになり得ると考えてHUと複数のグリコサミノグリカンの組み合わせでProtein Thermal Shift アッセイおよびゲルシフトアッセイ(競合実験)を実施したところ、相互作用するものがいくつか見つかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Protein Thermal Shiftアッセイは、使用する蛍光色素がタンパク質の疎水面に結合する事を利用する方法であるが、HUが小さなタンパク質で疎水面が狭く、一般的な条件では蛍光色素の結合量が検出感度を下回ったことからアッセイ条件の検討に手間取った。
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Strategy for Future Research Activity |
「S. mutansバイオフィルム形成安定化に対するHUの寄与の解析」 HUと多糖類の相互作用について多糖類の負電荷と結合の強さとの関係を明確にする。S. mutansのバイオフィルム中には、負電荷を持つグリコサミノグリカンは存在しないが、HUは細菌に広く存在し、バイオフィルム中にグリコサミノグリカンをもつものも知られていることから重要な知見となり得る。またS. mutansのペプチドグリカン層に存在するリポタイコ酸は負電荷を持っており、バイオフィルム中のHUとの相互作用を明らかにしたいと考えている。 「HU阻害剤の大規模スクリーニング系の確立」 HUと複数のグリコサミノグリカンの組み合わせでProtein Thermal Shift アッセイを実施した結果から判断すると、この方法はHUと相互作用する低分子化合物の探索に利用できそうである。この方法はリアルタイムPCR装置を使用するためハイスループットスクリーニングに適している。今後は、ポジティブコントロールになりそうな低分子化合物を見出してHU阻害剤のスクリーニング系の確立を行う。
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