プレバイオティクスを見据えた細菌叢と免疫細胞の偏移に関わる物質探索
Project/Area Number |
22K09954
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
沖永 敏則 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (60582773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 一也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (10236268)
西保 亜希 神戸常盤大学, 保健科学部, 助教 (30880653)
南部 隆之 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80367903)
真下 千穂 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80368159)
円山 由郷 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (90610296)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | プロポリス / 口腔細菌 / 細菌叢 / 免疫細胞 / 膜小胞 |
Outline of Research at the Start |
我々は、口腔健康にフォーカスを当て、健康な高齢者の「口腔細菌叢の多様性」とフレイル状態にある高齢者の口腔細菌叢を比較して、活動度や口腔管理状態に応じる健康な口腔細菌叢を主軸としたプレバイオティクス的検証研究を行う。今回の研究では、細菌叢変化の要因となる細菌代謝物に注目して、細菌代謝物の変化による口腔細菌叢の多様性の変化について検証する。加えて、そのような環境変化に反応し放出される細菌の膜小胞群が、「常在口腔細菌叢」の多様性に変化をもたらすか遺伝工学的に検証する。また、細菌代謝物や細菌膜小胞が、「宿主」の免疫細胞(M1・M2マクロファージ、制御性T細胞)に与える影響についても解析していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒトには2大常在細菌叢が存在し, 腸内細菌叢は全身の健康および免疫に大きな役割を果たしていることが報告されている. 一方, 口腔細菌叢についてはいまだ明らかになっていることが少なく, 口腔細菌叢を改善する物質の探索は続いている. 天然の抗菌物質として報告されているプロポリスは, ミツバチが植物の新芽や樹脂等と唾液などを混ぜ, 巣に使用する樹脂状物質であり, 多くの天然物質を含んでいる. そこで今回, 株式会社山田養蜂場本社提供の新規エタノール抽出プロポリス(ハワイ州産)を使用して, 口腔細菌への効果を検証した. 試験菌として, Actinomyces oris (A. oris), Porphyromonas gingivalis (P. gingivalis) を用いた. 各菌を前培養後, 各菌液の濁度をOD600=0.1に調整し, EEPを添加した. A. orisは好気条件下で, P. gingivalisは嫌気条件下で, 37℃で振盪培養を行い, 培養後の濁度計測を行った. EEP添加により, A. oris, P. gingivalisに対する増殖抑制がみられた. 次に, EEPの最小発育阻止濃度(MIC)および最小殺菌濃度(MBC)を求めた. 24 時間培養後, 濁度計測しMICを決定した. 発育の見られなかった菌液から, 固形培地上にて 48 時間培養後の増殖の有無によりMBCを決定した.以上の結果より, ハワイ州産プロポリスは, バイオフイルム形成に関わる歯面初期付着菌A. orisおよび歯周病原細菌P. gingivalisに対して抗菌活性を有していることが示唆された. 今後, 口腔環境の改善に寄与する天然物質としてのハワイ州産プロポリスの成分分析を行い, 有効な抗菌活性成分を明らかにしていく予定である. 、
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回は口腔細菌に影響を与える自然抽出物であるプロポリスを用いて研究を行った。同時に口腔細菌叢へ与える影響、また免疫細胞、口腔癌細胞を用いて、自然抽出物の与える影響に係る研究を計画し、予備研究を始めている為。
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Strategy for Future Research Activity |
天然物質を多く含有しているプロポリス(ハワイ州産)を用い、今回は口腔細菌に関わる影響について調べた。今後、分画に分けて実際の抗菌効果を示す成分の同定を行っていく。また、口腔細菌叢に対するプロポリスの影響については、舌苔、唾液、歯肉縁上プラークを用いてMiseqによる細菌叢解析を実施する。 免疫細胞に関わる部分に関してはレスベラトロールを用いて、口腔細菌が誘導する免疫応答に与える影響について分子生物学的手法を用いて解析を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)