株化歯根膜幹細胞の樹立と骨芽細胞分化メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K10019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57040:Regenerative dentistry and dental engineering-related
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
細矢 明宏 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70350824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉羽 邦彦 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30220718)
荒川 俊哉 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40306254)
建部 廣明 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40638293)
溝口 利英 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90329475)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | Gli1 / 歯根膜幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
歯槽骨を再生する骨芽細胞は、歯根膜に存在する組織幹細胞から分化することが知られている。従って、歯根膜幹細胞を効率的に骨芽細胞へ分化させることが可能となれば、幹細胞に注目した再生療法の開発につながると考えられる。そこで本研究では歯根膜幹細胞を株化し、これを用いて歯根膜幹細胞における骨芽細胞の分化促進因子を検索する。さらに、明らかになった分化促進因子を歯槽骨欠損部へ応用する実験を行い、歯根膜幹細胞の自己修復・再生能を賦活化する治療法の開発を最終的な目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
歯根膜に多分化能を有する組織幹細胞(歯根膜幹細胞)が存在することが明らかにされているが、歯根膜幹細胞の骨芽細胞への分化メカニズムは不明な点が多い。近年、Cre-loxPシステムを用いた細胞系譜解析でα-平滑筋アクチン (SMA)、Axin2、Gli1、レプチン受容体 (LepR) を発現する歯根膜細胞が、組織修復時に骨芽細胞へ分化することが示された。従って、これら4種の遺伝子は歯根膜幹細胞のマーカーとして有用であると考えられる。しかし、歯周組織再生時における歯根膜幹細胞の骨芽細胞への分化メカニズムについては、これまでほとんど検討されてこなかった。 本年度はGli1-CreERT2/ROSA26-loxP-stop-loxP-tdTomato (iGli1/Tomato)マウスの上顎第一臼歯を近心へ矯正移動、あるいは抜歯した際の骨形成に対するGli1陽性細胞の機能を検討した。矯正移動の実験では、牽引側の歯根膜においてGli1陽性細胞が骨芽細胞へ分化し、新生骨を添加的に形成することが明らかになった。一方、圧迫側の歯根膜ではGli1陽性細胞が線維芽細胞へ分化し、歯根膜線維の改変に寄与することが示された。また、抜歯後の抜歯窩においても、抜歯後も残存した歯根膜のGli1陽性細胞が骨芽細胞へ分化することが観察された。Gli1-CreERT2/Rosa26-loxP-stop-loxP-tdDTA (iGli1/DTA)マウスでGli1陽性細胞を枯渇させたマウスで同様に抜歯をすると、抜歯窩の骨形成が著しく減少した。さらに、これらの骨芽細胞分化過程においては、Gli1陽性細胞の子孫細胞がBMP4を分泌し、リン酸化Smad1/5/8の発現が上昇したことから、Gli1陽性細胞の骨芽細胞分化にはBMPシグナリングが関与することが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Gli1を含む幹細胞マーカーの骨芽細胞分化に関する形態学的解析を行い、本年度は4報の論文を発表した。当初の計画ではGli1に注目して研究を進める予定であったが、他のマーカーを加えながら幹細胞研究を進めることが出来ている。 一方、歯根膜幹細胞を株化する実験は、作製した株化細胞の幹細胞性が確認できないため、次年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
歯根膜幹細胞をラベルしたマウスとp53欠損マウスを掛け合わせ、これらのマウスから得た歯根膜幹細胞を株化する。株化細胞の幹細胞性を確認し、株化歯根膜幹細胞を樹立する。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)