ヒト歯原性組織オルガノイド試験管内再構築法の確立と再生医療へ向けた飛躍発展型研究
Project/Area Number |
22K10025
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57040:Regenerative dentistry and dental engineering-related
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
阿部 成宏 日本大学, 医学部, 研究医員 (00510364)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 幹細胞 / 顎口腔組織由来幹細胞 / 歯髄幹細胞 / 歯根膜幹細胞 / 口腔粘膜幹細胞 / オルガノイド / アッセンブロイド / 歯原性上皮幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
ヒト歯原性組織幹細胞の新規オルガノイド培養法の詳細な検討を行うとともに再生組織の評価を行い臨床応用する際の有用性と問題点を明らかにし、新規歯原性組織オルガノイド試験管内再構築法の確立と再生医療へ向けた飛躍的基礎研究を行うことを目的とする。新規歯原性組織オルガノイド培養法は今までに報告のないものであり、十分に学術的独自性ならびに創造性を秘めているものと考える。再構築法の培養期間ならびに移植のタイミングと移植法を確立することで、歯を構成する組織の試験管内再構築法における再生組織を明らかにし、第3世代顎口腔領域の幹細胞研究および再生医療の可能性を確立することを本研究のゴールとする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト根未完成歯の抜歯時に歯を構成する細胞を含む組織(歯嚢組織、歯髄組織、歯根膜組織)ならびに口腔粘膜組織を一定数採取することができた。 間葉系の細胞である歯髄、歯根膜ならびに口腔粘膜組織からは効率よく細胞を単離し、幹細胞集団を濃縮させることに成功している。しかしながら、昨年度に報告したようにエナメル質を構築後の歯嚢組織中には上皮細胞がほとんどいないため、歯原性上皮細胞を単離することが困難であった。さらに、上皮-間葉細胞を組み合わせたアッセンブロイドでは、上皮細胞が間葉から分離し、再構築が進んでいないことが現時点での課題であった。 このことを踏まえて、以下の2点を検討した。1)歯原性上皮細胞の3次元培養法の再検討では、歯原性上皮細胞は安定したヒト江目ネル上皮腫由来の細胞株であるHAM-1、HAM-2を用いてアッセンブロイドを作成した。まずは、HAM-1とHAM-2の細胞生物学的検討を行い、エナメル上皮種細胞株でのスフェアー形成による3次元培養法を確立した。さらに、エナメル上皮種細胞株を用いた、歯原性上皮-歯乳頭細胞-歯根膜細胞の混在したアッセンブロイドの細胞数やwellの直系の検討を行い、至適細胞数と条件を見出した。この結果では、上皮間葉はある程度、接触をして上皮細胞がいなくなることはなかったが、エナメル上皮腫細胞株のアッセンブロイド上での増殖所見がないため、培地に関して上皮細胞の増殖やアッセンブロイド自体のサイズアップを促すタンパクの添加の検討を行っている。また、2)アッセンブロイド作成の際のゲルについて検討では、様々なゲルを使用したが、オルガノイド様のマトリゲルが最も操作性に優れていることを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
間葉系のプロトコルは十分に確立化した。また、上皮細胞とのアッセンブロイドでは上皮細胞の細胞死等は認められないが、増殖が悪くin vitroでの最適化に苦労している。このことは、間葉系細胞では十分な増殖を認めることができるが、両者をアッセンブロイドにした場合に上皮細胞の増殖を抑制しているものと考える。上皮、間葉系細胞のアッセンブロイドは個別に培養し、最後に結合させるのがいいのか?それとも両者の細胞が増殖可能な培養条件を見出すべきかを現在模索しているため、遅れている結果となっている。 さらに、安定した同一患者からの歯原性上皮細胞の獲得についてのプロトコル確立の課題も解決されていない。組織をoutgrowth培養で行っているが、同一条件(同一時期、同一の培養皿で他のwellに播種しているが)、同一培地においても初代培養の成功率は異なっている。このことは、歯嚢組織中の上皮細胞の量が非常に少ないことが影響していると考える。効率よく上皮細胞を個体差なく単離する方法も現在、検討しておりこのことも遅れをとっているものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
基本培地、培養方法は確立化しているため、歯原性上皮の増殖因子を検索していく。具体的にはEGF、SHHなどの成長因子の追加添加を検討する。さらには、上皮・間葉細胞を両者とも同じアッセンブロイドにして両者の細胞が増殖可能な培養条件を検討していく。それとは別に上皮・間葉系細胞のアッセンブロイドは個別に培養し、最後に結合させる方法とでどのような違いがあるのかを分子生物学的に検討する。 この上皮細胞の増殖を維持できる培養方法が見いだせ、アッセンブロイドの確立ができれば、ただちに免疫不全マウスの腎被膜下に移植し、再生組織を評価する予定である。移植実験では硬組織の再生を考え、移植後12週程度は移植期間を検討し、再生された組織を通常の組織学的検討するのみならず、分子細胞生物学的にもマーカー等を検索していく。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)