Project/Area Number |
22K10038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57040:Regenerative dentistry and dental engineering-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
菊地 聖史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (50250791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 博史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (20507165)
熊澤 典良 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (60284907)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 医療用ロボット / 歯科用CAD/CAMシステム / 歯牙切削 / CNC |
Outline of Research at the Start |
近年、あらゆる分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)、すなわち、より良い生活に向けたデジタル技術による変革が進んでいる。歯科も例外ではなく、CAD/CAM技術の導入により、歯科技工領域を中心として手技に大きく依存する医療からの脱却が始まっている。一方、歯の形成(切削)は、依然としてハンドピースによる手作業で行っている。本研究は、形成をロボット技術でデジタル化することで、歯科医師の熟練の手技に大きく依存している状況の改善を目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績の概要は、次のとおりである。 (1) 口腔内切削装置の再設計と試作:工具位置決め機構の樹脂部品について、放電加工や切削加工、鋳造により製作した金属部品への置き換えを進めた。同機構の動作確認をしたところ、θ軸の減速比が不足していてフレキシブルシャフトのねじれの影響が無視できないことが分かったため、減速機構を追加した。また、工具回転機構について、市販のハンドピースのローターを流用していたが、仕様の80%程度の最高回転速度しか得られなかった。そこで、ローターだけでなくノズルを含むヘッド部分も流用することとし、さらに給排気経路の設計を見直したことにより、本来の回転速度が得られるようになった。 (2) 形状データの処理:口腔内スキャナーで得られた形状データを基に形成形状の設計とツールパス(NCデータ)の生成を行うためには、形状データを口腔内切削装置の座標系に変換する必要がある。試作システムでは、印象材を用いて歯列に印象用トレーを装着し、口腔内切削装置装着用アダプターを介して口腔内切削装置を装着するので、同アダプターを位置決めの基準とする方法を検討した。しかし、形成対象歯とアダプターが離れているため測定精度的に不利であることや座標の基準点の決め方に難があることが分かったため、新たに位置決め用ジグを試作して形状測定を試みた。その結果、ジグに備わったマーカーを基準として口腔内スキャナーのデータを工具座標系に変換するという方法の原理的な確認ができた。 (3) 新しい口腔内切削装置の検討:前年度試作したパラレルリンク装置は、3自由度のデルタ型だったため、ハンドピースの複雑な動きを再現することが難しかった。そこで、6自由度制御可能なヘキサ型機ならびに横型パラレルリンク機の採用について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置の試作や動作確認、設計変更を繰り返す必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、次のとおりである。 (1) NCデータの生成:口腔内スキャナーで得られた形状データを口腔内切削装置の座標系に変換した後の処理、すなわち形成形状の設計とツールパス(NCデータ)の生成について検討する。歯科治療ロボットシステムのCAD/CAMソフトは、最終的には従来の研究に基づいて自動形成専用のものを新規に開発して使用することを想定しているが、本研究の範囲を超えるため、既成のソフトで代用する。形成形状の設計に際しては、窩洞等の図を別途作成し、CADの下絵として利用する。また、既製のCAMソフトで生成されるツールパスは歯の自動形成に最適化されたものではないが、形成対象歯の大きさに合わせて加工領域を設定するなどして使用する。 (2) 自動形成の準備:形成時は歯や工具の保護のため注水冷却が必須であり、水滴や削り屑が飛散する。そこで、自動形成試験に先立って口腔内切削装置やマネキンなどに防塵・防滴対策を施す。また、試験後装置内に残留した水を吸引排出する機構を設ける。 (3) 試作システムの動作確認と評価:口腔内切削装置とその駆動装置、インターフェース、制御用コンピューターと制御用ソフトなどからなる試作歯科治療ロボットシステムを用い、マネキンの歯列模型に対して口腔内スキャナーによる形状測定から自動形成まで通して行って、操作性や切削精度などを評価する。また、実用化に向けた問題点を明らかにし、その解決策を検討する。 (4) 新しい口腔内切削装置の設計:試作口腔内切削装置は3軸加工であるが、より自由度の高い加工に対応した口腔内切削装置について引き続き検討する。新たな技術については、特許出願を検討する。
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