Project/Area Number |
22K10117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
増本 一真 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50464136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 口腔がん / X染色体 / 女性口腔がん / 予後診断法 / X染色体活性化 |
Outline of Research at the Start |
女性体細胞のX染色体は片側が不活性化(XaXi)しているが、乳がん細胞等では両X染色体が活性化(XaXa)している。申請者らは両X染色体の活性化は相同組換え修復能が低下することを発見した。さらにX染色体不活性化遺伝子Xistの発現低下およびBRCC3の発現亢進が予後不良と相関し、XaXaのがんが予後不良となること可能性を見出した (EMBO Rep. 2021)。本研究では女性口腔がんのXaXaと予後との相関を検証する。女性口腔がんの両X染色体の活性化状態を操作し、XaXaと変異の蓄積、染色体不安定性、がんの悪性度との相関を解析し、両X染色体の活性化が悪性化の原因となるかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
女性体細胞のX染色体は片側が不活性化(XaXi)しているが、未分化なES細胞や乳がん細胞等では両X染色体が活性化(XaXa)していることが知られている。申請者らは、両X染色体の活性化はX染色体性の相同組換え抑制遺伝子BRCC3の高発現をもたらし、相同組換え修復能が低下することを発見した。さらにヒト乳がんのin silico解析により、X染色体不活性化遺伝子Xistの発現低下およびBRCC3の発現亢進が予後不良と相関することを見出し、XaXaのがんが予後不良となることが示唆された (Tamura, Masumoto et al EMBO Rep. 2021)。本研究では、女性口腔がん患者サンプルを用いた実際の解析で、両X染色体活性化が予後不良と相関するかを検証する。そのためには、病理検体のがん組織におけるX染色体の活性化状態を判定することが必須であり、Xistおよびその他のX染色体性遺伝子の発現状態を可視化する必要がある。本年度はXistおよびX染色体遺伝子のRNA-FISHの系の確立を行い、Xistにおいてはその系が確立した。またX染色体性遺伝子においてはATRXなどを条件設定したが、検出感度の問題があり、XistのみでXaXaかXaXiかを判定することにした。また、数種の培養細胞についてXaXaかXaXiをRNA-FISHで調べ、WI38細胞がXaXi細胞であることを見出した。今後これらの細胞を用いてX染色体のStatusを人為的に変えて相同組換え能やがん細胞の悪性度等を解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病理検体のがん組織におけるX染色体の活性化状態を判定するためには、Xistおよびその他のX染色体性遺伝子の発現状態をRNA-FISHで可視化する必要がある。Xistにおいてはその系が確立したが、その他のX染色体性遺伝子においてはその発現量が十分でないものが多く、多数の遺伝子について試行錯誤を繰り返したためやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
両X染色体活性化がヒトがんにおいての相同組換え能の低下とそれに伴う悪性度亢進と相関するかを検証するためには、培養細胞や病理検体のがん組織におけるX染色体の活性化状態を判定することが必須となる。今年度Xistの発現状態をRNA-FISHで可視化する系を確立した。またX染色体の活性化状態をこの系を用いて乳がんなど数種の培養細胞について解析し、MCF7細胞がXaXaであることを見出した。本年度はさらに培養口腔がん細胞についてX染色体の活性化状態を判定する。今後X染色体の活性化状態が明らかになったXaXi細胞を用いてXistのノックダウンなどを行いX染色体のStatusを人為的にXaXaに変えて相同組換え能やがん細胞の悪性度等を解析していく予定である。
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