Project/Area Number |
22K10177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
松田 亜沙実 札幌医科大学, 医療人育成センター, 研究員 (30897533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 泰史 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (70322328)
荻 和弘 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40433114)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | p53 / 機能獲得変異 / 口腔扁平上皮癌 / トランスクリプトーム |
Outline of Research at the Start |
がん領域においても遺伝子異常を基にして適切な治療法や発症予防法を開発するPrecision medicineが推進されているが,がんゲノム検査から治療根拠となる遺伝子変異が検出される割合は10-30%程度と低く,広く臨床応用される状況には到っていない.本研究では,癌抑制遺伝子TP53の変異を高頻度に認める口腔扁平上皮癌に着目し,TP53機能獲得変異によって起こるトランスクリプトームの変動を分析し,機能解析へと展開する.さらに発現異常,遺伝子変異の有無,悪性度および治療効果との関連性を解析することで,p53ネットワーク破綻のメカニズムを標的とした口腔扁平上皮癌の治療法開発の基盤形成を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,口腔扁平上皮癌をモデルとして,変異型p53のGOF(gain-of-function)によって変化するトランスクリプトームの全貌を解明し,p53ネットワークのさらなる理解につなげることである.変異型p53を標的とした治療法の開発につながる基礎研究を目指している.TP53のGOF変異は,がん遺伝子の活性化変異と類似の作用を示すことが予想され,新しい分子標的の同定に進展する可能性がある. 本年度は以下の研究成果をあげた。 1)血液中を流れる患者特有のがん由来DNA(ctDNA)について、NGS、およびデジタルPCRを用いた超高感度検査を確立し、種々の癌患者診療における実用性を明らかにした。 引き続き追加症例(食道扁平上皮癌患者22例、口腔扁平上皮癌5例、頭頚部癌22例、大腸癌18例)のctDNA モニタリングのフォローアップを継続して行っている。 2) 食道の表皮化(epidermalization)粘膜に発生した上皮内扁平上皮癌についてがん関連遺伝子の異常を解析した。p53変異、がん関連遺伝子のコピー数異常が癌部だけではなく表皮化粘膜からも検出され前癌病変であることが示唆された(Pathology Int. 73: 327-329, 2023)。 3) 野生型p53、およびTAp63/p73がmiR-142-3pの転写誘導を介して核外輸送受容体XPO1を発現抑制していることを明らかにした。p53ファミリーがmiRNAを介して自らの機能を増強させる正のフィードバック機構を示唆しており、新たながん治療の標的となりうることを示した(論文投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)次世代シークエンサー解析、およびp53結合コンセンサス配列の全ゲノム網羅的解析から、野生型、および変異型p53に制御されるタンパクコード遺伝子、非コードRNA、miRNAを複数同定している。 2)野生型p53により翻訳が上昇し、GOF活性を持つ変異型p53によってその効果が減弱する短いORFとして第17番染色体長腕の遺伝子間領域に存在するコドン数44の領域を同定した.その領域から翻訳されるマイクロプロテインをp53MP1と命名し細胞内発現の検討を行ったところ,野生型p53導入により細胞核に発現誘導されることを見出した.p53MP1の核局在は細胞増殖を抑制し,臨床検体での解析で予後不良に関連することを明らかにした. 3)GOF活性を評価した変異型p53発現プラスミド、またはアデノウイルスベクターを細胞株に導入し、細胞増殖能、抗がん剤感受性の解析を進めている。 4)野生型p53、およびTAp63/p73がmiR-142-3pの転写誘導を介して核外輸送受容体XPO1を発現抑制していることを明らかにし、論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では野生型・変異型p53によって制御されるトランスクリプトームを網羅的,かつ効率的に同定し,がんの発症・進展における役割を分析することで,p53ネットワークによる腫瘍抑制メカニズムのさらなる理解を目指す. 今年度は同定された変異型p53標的候補となるトランスクリプトームのうち、マイクロプロテインについて特に着目する.上記ゲノムレベルに加え,ペプチド抗体の作成,および質量分析等でタンパク質レベルでの解析を行う.また発現ベクターの導入による浸潤能,遊走能,増殖能などに与える影響,種々の分子生物学的手法を用いた転写・翻訳調節機構の解析を行う.さらに公共のデータベース(RefExA,GEO, cBioPortalなど)の活用,文献情報,モチーフ検索などを行い,増殖,細胞死,細胞分化などの機能的な面から,腫瘍の進展に関与することが予想される分子を絞り込む.また,臨床病理学的因子や治療反応性との相関を分析することで,臨床的な意義を見いだしていく.
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