Project/Area Number |
22K10213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中禮 宏 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 講師 (50431945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 俊明 明海大学, 歯学部, 教授 (30292981)
林 海里 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30803192)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 顎顔面骨骨折 / 骨強度 / 有限要素法 / デジタルマッチング法 / スポーツ復帰 |
Outline of Research at the Start |
事故やスポーツ時などで顎顔面骨折は起こるが、四肢体幹の骨折と異なり、治癒途中でもスポーツ復帰することがあったが、治癒遅延・不全(変形治癒)や再受傷のリスクがあった。しかし、顎顔面骨治癒の従来評価法は客観性が低く、復帰に向けて有用な指標やガイドライン策定がなかった。 Computed Tomography(CT)検査の画像データを用いた骨構造解析を行うことで、「顔面骨は骨折すると骨強度がどの程度変化しているのか」、「骨折後の治癒に伴い、どのように回復するのか」を解明し、顎顔面骨骨折後における治療法の選択や治癒の予測を支援し、さらにスポーツ復帰指標やガイドラインなどの策定の足掛かりとする
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Outline of Annual Research Achievements |
「顎顔面骨における骨折時の骨強度」の指標になりうる骨強度評価値を明らかにするために、鼻骨骨折、頬骨骨折、上顎骨骨折のCT(Computed Tomography)画像情報を基に、受傷した状態での強度評価に関して、過去の症例データを収集し、観察を行い、健側・治癒過程・治療処置後などとの比較で、基礎データを蓄積した。 具体的には、顔面骨折症例の受傷状態をX線CTデータから抽出し、受傷状態の強度評価のために有限要素解析(CT-based finite element method :CT/FEM)を行うためのデータ蓄積を解析した。多角的な骨強度評価に繋げるために、CT/FEMに加えてCAD(Computer Aided Design)技術を応用した分析も行うことも検討した。CAD デジタルマッチング法を用いて、健側との比較による受傷による形態的変位量評価を行うことを目的に、デジタル情報を変換して、そのデータ蓄積も行った。その際、部位や傷害の重症度に合わせて、同一機関の同一機器であっても、測定条件が異なることが確認されていたので、同一機器で測定条件が異なった場合のデータについて比較することおよび別機関で測定した似通った測定条件のデータを比較することを、データの蓄積条件に加えることとした。 データ蓄積は専用ソフトを用いることで精度の向上を図ることとし、骨形状、骨密度を反映した解析用モデルを作成することも検討した。 症例ごとの即時解析に適したシミュレーションシステム構築に向けたデータ蓄積に必要なCT撮影条件の確認も行っていくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
部位や傷害の重症度に合わせて、同一機関の同一機器であっても、測定条件が異なることは、事前にも確認はしていたが、想定以上に条件のばらつきが大きく、データ蓄積のための比較検討に難渋している。同一機器で測定条件が異なった場合のデータについて比較することおよび別機関で測定した似通った測定条件のデータを比較することを、データの蓄積条件に加えることとしたために、当初想定していたものよりも、データ蓄積・分析に時間を要している。 診断に必要なCT撮影条件は、有限要素解析やCADデジタルマッチング法の高精度化に必要な撮影条件とは異なる場合が多く、撮影時間や機器条件などにより十分でない場合に、精度を落とさずにデータ分析を行うためのデータ処理方法は、未だ確立していなかった。その処理を補完する方法を検討していく必要があるために、課題の進捗が遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度行ってきた顔面骨折症例の受傷状態のデータ蓄積は、今後も継続して行っていく。 本年度以降、「骨折後の定期的治癒状況 骨強度評価」を課題として、協力者を募り、骨折直後から定期的に治癒に伴う骨強度評価を行い、骨代謝状況(骨代謝マーカー)も参照しながら、治癒に伴う骨強度・変位量の回復・変化を評価(CT/FEM、CAD)する。具体的には、倫理審査申請したうえで、研究協力者募集し、骨折後の回復度評価の基準値となる骨折時評価を行う、さらに、複数回のCTを撮像し、骨強度の回復を分析・評価(CT/FEM、CAD)するとともに、骨代謝マーカー(血液検査)の数値から骨代謝状況偏移を併行して追跡することで評価指標とする。 「顎顔面骨折症例の骨強度解析における要素分割の最適化」を課題として、メッシュ密度(数・サイズ・形状)と部分的細分化を要因とした精度と解析時間の関係性を検討することとしていく。即時解析・診断のための至適条件の検討として、「精度維持(細かさ・分割数を増やす)」と「解析時間短縮(細かさ・分割数を減らす)」は、相反するが、重要な要素となるので、要因:・細かさ(数)、・分割数(要素数,節点数)、・要素の位相(形状)を変えて検討していく予定である。さらに、部分的なメッシュの細分化(応⼒集中部=骨折部位)を行うことも検討する。応力集中が予想されるところのみを選択的に細分化する手法は、精度の維持と解析時間の短縮を効率化可能となる。
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