腫瘍関連免疫抑制性細胞を標的とした口腔癌に対する新たな免疫療法の開発研究
Project/Area Number |
22K10214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
冨原 圭 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70404738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 講師 (10547516)
立浪 秀剛 富山大学, 附属病院, 医員 (30850268)
野口 誠 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (50208328)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 口腔がん / 免疫療法 / 免疫チェックポイント / 免疫抑制 / 好中球 / 口腔癌 / 免疫抑制性細胞 |
Outline of Research at the Start |
担癌宿主で増加するミエロイド系の細胞は、免疫療法に対する抵抗因子と考えられるが、担癌宿主の免疫系において機能は十分に解明されてはいない。口腔癌に関しては2017年より本邦でも免疫チェックポイント阻害薬の一部の適用が承認となり、特に再発や転移を有する進行癌における治療戦略としてその臨床的な重要性がさらに高まっている。しかし、全体の奏効率は30%程度と限定的であることから、口腔癌の免疫学的抵抗機序の解明が急がれる。本研究によって、口腔癌に対する免疫療法の効果と免疫抑制機序の一端が解明されれば、免疫チェックポイント阻害薬の効果を最大限に引き出す新規治療法の開発へと発展することが大いに期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
がん免疫療法は、がんに対する第4の治療法として近年大きな進歩を遂げており、特に免疫チェックポイント阻害薬の登場は、癌治療において革新的な変化をもたらしている。 口腔がんはその多くが口腔粘膜上皮に発生する扁平上皮がんであり、早期に周囲組織に進展する場合が多く、また発生部位の解剖学的特徴から外科的切除によっては咀嚼や嚥下、構音などの重要な口腔機能が大きく損なわれることとなる。そのため、口腔がん治療においては、がんの根治性に加え、患者の口腔機能をいかに維持するかが治療上重要な課題であり、口腔の機能温存に資する新たな治療法として、がん免疫療法に大きな期待が寄せられている。本研究は、口腔がんに対する免疫療法薬を用いた有効な治療戦略の開発を目指し、担がん宿主で著しく増加する腫瘍関連免疫抑制性細胞の標的化により、免疫チェックポイント分子阻害による抗腫瘍効果を最大限に引き出す新たな免疫学的治療戦略について究明することを目的として開始された研究である。近年、様々ながん種において免疫チェックポイント阻害薬の治療効果との関連が示唆されている宿主の炎症反応の指標の一つである好中球・リンパ球数比(Neutrophil to lymphocyte Ratio;以下NLR)NLRに着目して、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果とNLRとの関連について解析を行った。その結果、NLRの上昇は、免疫チェックポイント阻害薬の奏効不良と著しい相関を示すことが明らかとなった。すなわち、担がん状態に随伴した炎症の併発や腫瘍細胞から産生される様々な因子によって好中球が増加し、IL-10やIL-6などの炎症性サイトカインの放出やVEGF(vascular endothelial growth factor)の産生による腫瘍血管新生を介して、腫瘍の増殖や浸潤・転移などを促進することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
口腔がん担がんモデルを用いた解析と、口腔がんの臨床データを用いた解析の結果、口腔がんの担がん宿主では、腫瘍関連免疫抑制性細胞として、末梢血中に好中球が著しく増加し、この好中球の増加が、口腔がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の治療効果と相関していることが明らかとなり、その機能解析などは今後のモデル実験で行う予定である。以上より、当初の計画通りに研究は進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果で、口腔がん担がん宿主ではCD11b、Gr-1陽性の腫瘍関連好中球(Tumor-associated neutrophil)TANが増加し、宿主の免疫抑制と免疫チェックポイント阻害薬の治療を抑制することが示唆された。今後の研究としては、腫瘍関連マクロファージ(Tumor-associated macrophage:以下TAM)や、腫瘍間質においては癌関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblast:以下CAF)が免疫抑制に関与しているかどうかについて検証を行い、これら末梢における腫瘍関連の免疫抑制性細胞の集簇と宿主の免疫応答との関連、免疫チェックポイント阻害薬との治療効果を検証する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)