非コードRNAを介した新たな軟骨ホメオスタシスとその変性メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K10218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Kobe Tokiwa Junior College |
Principal Investigator |
森谷 徳文 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 教授 (60467751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 正春 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (20112063)
久保田 聡 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90221936)
服部 高子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00228488)
西田 崇 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (30322233)
近藤 星 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (90834838)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 軟骨ホメオスタシス / 非コードRNA / 変性メカニズム / OAモデル |
Outline of Research at the Start |
変形性関節症 (Osteoarthritis : OA)は骨・関節疾患の中で最も頻度が高く、日常生活動作が制限されることから患者のQOLや健康寿命に大きな影響を与える。 OAの病態形成と進行の背景には、軟骨細胞における細胞外マトリックス (ECM)の産生低下や炎症による分解亢進があり、ECMターンオーバーバランスの破綻を防ぐことはOAの発症防止や進行抑制につながると考えられる。 本研究は、miR-18aとUCA1という2つの非コードRNAが軟骨分化を正負双方向に調節することでホメオスタシスを維持することを検証し、その変性メカニズムにおける役割の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、2つの非コードRNA, miR-18aおよびUrothelial cancer-associated (UCA)1の軟骨分化における正負双方向の協調した調節機構を検証し、さらに軟骨組織の変性時におけるこれら非コードRNAの役割を解明するべく、実験を進めている。 これまでに、UCA1を過剰発現させると、軟骨細胞株HCS-2/8において軟骨分化促進因子Cellular Communication Network Factor (CCN) 2およびSox9の発現が誘導されること、一方でmiR-18a発現は抑制されることを確認した。また、軟骨細胞の変性時に見られるACAN, COL2A1遺伝子の発現低下も認めた。そこで2023年度はさらにUCA1の機能を明らかにするために、HCS-2/8においてUCA1発現を抑制したところ、miR-18aの発現は低下した。糖尿病治療薬メトホルミンの添加はUCA1およびmiR-18a発現を誘導することも見出しており、その主要制御因子を同定するための解析を進めている。また、in vivoでの検証を行うため、UCA1ノックインマウスの作製、系統確立が終了し、表現系の解析を進めている。現在までのところ明らかな組織学的・形態学的な変化は認めていないが、今後は軟骨や骨組織を中心により詳しく形態学的・生化学的解析を行う予定である。また、膝関節内へのモノヨード酢酸注射または前十字靭帯切断により変形性関節症(OA)モデルを作製し、in vivoにおけるメトホルミン添加による軟骨組織障害におよぼす効果の検証も進めている。 一部分担者の異動に伴い、担当部分の計画を次年度に持ち越すなど部分的な計画の変更を行なったが、全体の進捗状況自体に大きな問題はなく、これまでに得られた成果については近日中に英文雑誌に論文投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は軟骨およびCCNファミリー研究に精通した複数の研究者により分担して遂行するよう計画しており、これまでに得られた成果についてはまもなく論文投稿予定のため、全体の進捗状況に大きな問題はない。ただ、一部分担者の異動に伴い、今年度予定していた担当部分の実験を次年度に持ち越す必要が生じた。このため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた研究成果について英文雑誌に論文投稿を行う。 また、培養細胞およびUCA1 KIマウスでの検証を引き続き進め、遅れている部分の実験計画も実施する。 具体的には、メトホルミンによるUCA1, miR-18a発現誘導の主要制御因子を同定するために、メトホルミンを添加した軟骨細胞を用いてRNA-seq解析を行い、メトホルミン投与時に発現変動の大きい遺伝子と、その中で転写因子であるものを絞り込む。ターゲット遺伝子をいくつか選択し、各遺伝子産物がUCA1, miR-18aそれぞれの遺伝子に直接結合するかどうかをChIP-qPCR解析により調べ、主要制御因子を同定する。さらに同定した各遺伝子をノックダウンした軟骨細胞において、UCA1, miR-18aの各遺伝子座のクロマチン開閉状況をATAC-seq又はヒストンChIP-seq法で解析し、各同定遺伝子によりUCA1, miR-18aの転写活性が上昇するエピジェネティックな背景を明らかにする。 また作製したUCA1 KIマウスの膝関節内にモノヨード酢酸を注射してOAモデルを作製し、組織学的・形態学的な解析と遺伝子発現およびECMタンパク質の定量解析を行う。OAモデルにメトホルミンを経口投与し、UCA1, miR-18aおよび軟骨分化マーカーの発現やECM産生について組織学的・分子生化学的解析を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Presentation] 軟骨細胞におけるメトホルミンによるlong non-coding RNA, UCA1およびCCN2の 発現制御2022
Author(s)
近藤星, 服部高子, 桑原実穂, Fu Shanqi, 西田崇, 薬師寺翔太, 吉岡洋祐, 森谷徳文, 飯田征二, 滝 川正春, 久保田聡
Organizer
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[Presentation] メトホルミンによる非コードRNA誘導と軟骨細胞分化促進作用2022
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Organizer
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